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内容紹介
ヒトはどのように匂いを感じるのか? 香りの良し悪しの違いは? 等の疑問に答える,匂い・香りの科学的知識を解説した好著。〔内容〕匂い・香り分子の化学的特性/匂い受容体とメカニズム/匂いと行動遺伝/匂いと心理/嗅覚障害/他
編集部から
私たちは日常生活において「匂い」「香り」に囲まれて生活をしています.
果物の匂い,森の匂い,汗の匂い,ゴミの匂いなど自然に存在するものもあれば,香水の香り,シャンプーやリンスの匂い,加工食品の匂い,お香やアロマテラピーの精油の香りなど人工的な匂い(香料)も数多く存在し,豊かな生活を送るのに欠かせないものといえます.
本書は,その「匂い」「香り」の科学知識を解説します.(「フェロモン」についても,いくつかの項目で解説しています.)
まず,匂い・香りのもとになる物質について(第1章),匂いを感じる体の仕組み(第2章~第6章)についてなど,基礎的な知識を取り上げます.その後,ヒト個人に特有な体臭(「匂い型」)の存在ついて(第7章),匂いの快・不快などの心理学(第8章),匂いが動物の行動に及ぼす影響(第9章)など興味深い話題が続きます.最後に匂いを感じられなくなる病気について(第10章)の解説をして,締めくくりとしています.
「匂い」「香り」の最新の科学知識がこの一冊に詰まっていますので,ぜひお手にとってお読み下さい.
【書評】
「アロマリサーチ 2007年5月号」(フレグランス・ジャーナル社)の「新刊紹介」欄で、
「匂い・香りに関する最新の科学知識を一冊で網羅。話題や引用の多い嗅覚系の新しい知見についても読むことが出来る。・・・」と、ご紹介いただきました。
【書評】
「味と匂いの科学会誌 2007年2号」の「書評」欄で、
奥谷文乃氏により,「本書は匂い物質そのものから,それを受容する主嗅覚系と鋤鼻系について,分子レベルから行動レベルまで,基礎から臨床まで,昆虫からヒトまでと,嗅覚に関するすべての範囲を網羅した書である。・・・」と,ご紹介いただきました。
目次
はじめに
1. 匂い・香り分子の化学的特性
1.1 フレグランス
1.2 フレーバー
1.3 フェロモン
2. 嗅覚器の構造
2.1 嗅覚器の構造
2.2 嗅覚器の発生
2.3 鋤鼻器の構造
3. 匂い受容体とメカニズム
3.1 匂い受容体の発見から機能解析まで
3.2 嗅覚受容体の構造と機能
3.3 嗅覚受容体遺伝子の発現制御
3.4 嗅細胞の匂い分子識別
3.5 フェロモン受容体
4. 嗅細胞の情報伝達
4.1 嗅細胞の情報伝達
4.2 嗅細胞のイオンチャネル特性
4.3 鋤鼻細胞のフェロモン受容と情報伝達
5. 嗅球の構造と機能
5.1 嗅球の構造と構成ニューロン
5.2 嗅細胞から嗅球への軸索投射と匂い地図
5.3 嗅球における匂い情報処理
5.4 副嗅球の形態
5.5 副嗅球の機能
5.6 副嗅球における匂い記憶メカニズム
6. 嗅覚系の高次中枢
6.1 嗅覚野の構造
6.2 嗅覚野(梨状皮質)と匂い情報
6.3 脳内匂い情報伝達
6.4 鋤鼻系の上位中枢
7. 匂いと行動遺伝
7.1 匂い型と遺伝子
7.2 MHC匂い型
7.3 ヒトの匂い型
8. 匂いの心理学
8.1 匂いの感覚・知覚
8.2 匂いの快・不快
8.3 ヒトの嗅覚中枢と生理心理
9. 匂いと行動のメカニズム
9.1 大型哺乳類
9.2 げっ歯類
9.3 昆虫類――昆虫の匂い情報処理と行動発現機構
10. 嗅覚障害
10.1 ヒト嗅覚器の解剖と組織
10.2 ヒトの嗅覚障害
10.3 嗅覚障害の診断と治療
索引
執筆者紹介
【編集者】
澁谷達明,市川眞澄
【執筆者】
澁谷達明,川崎通昭,蟹沢恒好,桑原保正,高見茂,鈴木裕子,谷口和之,谷口和美,大瀧丈二,東原和成,坪井昭夫,坂野仁,廣野順三 ,佐藤孝明 ,山岸公子,竹内裕子,柏柳誠,小坂俊夫,小坂克子,吉原良浩, 市川眞澄,須貝外喜夫,椛秀人,岸清,楊俊麗,陳少雲,村上邦夫,小野田法彦,外池光雄,横須賀誠,佐原資謹,山崎邦郎,斉藤幸子,綾部早穂,小早川達,森裕司,岡村裕昭,小山幸子, 関洋一,櫻井健志,神崎亮平,三輪高喜,(執筆順)