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内容紹介
”The Science of Web Surveys” (Oxford University Press) 全訳。実験調査と実証分析にもとづいてウェブ調査の考え方,注意点,技法などを詳説。〔内容〕標本抽出とカバレッジ/無回答/測定・設計/誤差/用語集・和文文献情報
編集部から
○本書の訳者のおひとり大隅昇先生らがご執筆され,
「社会と調査」(2017) 特集「パラデータの活用に向けて」,18, pp.50-51.
に掲載された下記記事の詳細版が公開されています.
「ウェブ調査におけるパラデータの有効利用と今後の課題」【詳細版はこちら】
○本書の訳者のおひとり大隅昇先生ご執筆の
「ウェブ調査」の利用はどうあるべきか — その1 —
が、社会調査協会のオンライン・ジャーナル「オピニオン」欄に掲載されました。【こちら】よりアクセスできます。
【書評掲載されました】
●「統計」(2020年8月):評者=萩原雅之(トランスコスモスアナリティクス株式会社)
●「よろん」125号(2020年3月):評者=谷藤悦史(早稲田大学)
●「理論と方法」67号(2019年):評者=三浦麻子(大阪大学)
●「労働の科学」74巻9号(2019年9月):評者=岸田孝弥(高崎経済大学名誉教授)「信頼あるウェブ調査のための必読書」
【ウェブ付録:関連文献一覧】
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本書巻末に掲載する参考文献一覧に追記情報を加えた資料です.オンライン文献にはリンクからアクセスできます.
〇科学的な検証,証拠にもとづくウェブ調査のあり方を総合的に解説
~“科学としてのウェブ調査”に何が必要か?
〇標本抽出,カバレッジ,無回答,双方向性など,総調査誤差に基づくウェブ調査についての本格的学術書。
〇多数の先行研究のメタ分析からウェブ調査の長所と短所を科学的に検証,総合的に解説し、科学的推論を引き出す調査計画のための具体的指針を示す。
〇日本語版では、日本におけるウェブ調査の概況,関連用語集,国内外の関連文献リストなど、研究者・実務家必須の情報を付録として追加。
〇原著タイトル
The Science of Web Surveys.
Oxford University Press,2013
○本書について 大隅昇 (「訳者まえがき」より抜粋)
まさに「ウェブ調査とは何か?」への解答が実に明確に書かれた書である.コンピュータ支援のデータ収集方式の1つであるウェブ調査で,何を調べ,何を知り,いかに科学的に推論するか,また,その長所と短所を具体的に知り,誤用とならないための指針が満載されている.日本国内では未だみられない内容の書であり,大いに刺激を受けるとともに,欧米における研究の質と量に圧倒された.
本書の3名の著者は,いずれも調査方法論研究で多くの成果を挙げてきた著名な研究者である.とくに,ウェブ調査の分野においては,常に先導的な研究を進めてきたことで知られる.このような研究者らが,自分たちの研究成果をはじめ,多数の研究報告を渉猟し,比較・検証することで,“科学としてのウェブ調査”のあるべき姿を包括的に記した書がこの“The Science of Web Surveys”である.そして本書は,全体を通じて科学的な証拠(エビデンス)にもとづく考察を基軸に議論が展開される.
○日本の読者へ Mick P. Couper(「日本語版によせて」より抜粋)
(前略)
本書(英語版)が2013年に出版されてから,すでに6年以上の歳月が経過し,ウェブ調査研究には数々の変化があった.また,変化はなくいままでと同じままのことも多々ある.
変化した点に注目すると,まず,われわれが本書を執筆していた当時は,スマートフォンの急速な増加を予測してはいなかった.その後,スマートフォンがウェブ調査の回答記入完了やデータの質におよぼす影響に関する研究が数多く行われている.(中略) カバレッジ誤差,無回答誤差,測定誤差の問題を含む難題の多くは,スマートフォンが広く利用されるようになっても解決していない.これらの諸問題に関してわれわれが本書で論じていることの多くは,スマートフォンにも同じようにあるいはそれ以上に当てはまる.
(中略)
われわれ筆者らが2010年代の初めに本書を執筆していた当時には,予想していなかった発展が他にもあり得ると,私は確信している.こうした新しい発展を知ることを私は楽しみにしている.それでもなお,われわれが本書においてウェブ調査について書いたことのほとんどが現在でも重要であり,本書はウェブ調査を利用する研究者にとって依然として有用な必携本である.ウェブ調査は,調査研究者にとって不可欠な方法として,その重要性がますます増している.
目次
1. はじめに
1.1 総調査誤差にもとづく接近法
1.2 本書のロードマップ
1.3 本書の目的と範囲
2. ウェブ調査における標本抽出とカバレッジの諸問題
2.1 ウェブ調査の種類と確率抽出の利用
2.2 ウェブ調査におけるインターネット普及率の問題
2.3 カバレッジと標本抽出による偏りの統計的補正
2.4 この章のまとめ
3. ウェブ調査における無回答
3.1 ウェブ調査における無回答と無回答誤差の定義
3.2 ウェブ調査における無回答誤差
3.3 ウェブ調査における回答率と参加率
3.4 ウェブ調査の参加に影響を与える要因
3.5 混合方式の調査における無回答
3.6 ウェブ調査の中断に影響する要因
3.7 ウェブ調査における項目無回答
3.8 この章のまとめ
4. ウェブ調査における測定と設計―概論―
4.1 ウェブ調査における測定誤差
4.2 ウェブ調査の測定特性
4.3 ウェブ調査全体に対して適用される一般的な設計
4.4 ウェブ調査のルック・アンド・フィール
4.5 ナビゲーションの作法
4.6 回答入力形式の選択
4.7 グリッド形式あるいはマトリクス形式を用いた質問
4.8 この章のまとめ
5. 視覚媒体としてのウェブ
5.1 ウェブ調査票における視覚特性の解釈
5.2 画像の効果
5.3 視認性の概念
5.4 この章のまとめ
6. 双方向的特性と測定誤差
6.1 双方向性の特徴
6.2 応答的で機械的な機能
6.2.1 プログレス・インジケータ
6.2.2 自動集計
6.2.3 視覚的アナログ尺度
6.2.4 双方向的なグリッド
6.2.5 オンラインによる説明
6.3 人間に近い双方向的特性
6.4 この章のまとめ
7. ウェブと他のデータ収集方式における測定誤差
7.1 調査方式効果を理解するための概念的枠組み
7.2 自記式手法としてのウェブ調査
7.3 ウェブ調査と認知的負担
7.4 この章のまとめ
8. 要約と結論
8.1 ウェブ調査における非観測誤差
8.2 観測誤差
8.3 調査方式効果を表すモデル
8.4 ウェブ調査への提言
8.5 ウェブ調査の将来
参考文献
日本語版付録
補章:日本におけるインターネットによる世論調査,統計調査の現況〔井田潤治〕
用語集
国内文献
海外文献
関連する学会および機関の一覧
索引
執筆者紹介
〇原著者
Roger Tourangeau (R・トゥランジョー)
Frederick G. Conrad(F・G・コンラッド)
Mick P. Couper (M・p・クーパー)
〇訳者一覧
大隅 昇 統計数理研究所 名誉教授
鳰真紀子 翻訳家
井田潤治 一般社団法人 輿論科学協会
小野裕亮 SAS Institute Japan 株式会社