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朝倉物理学大系 21 現代物理学の歴史II ―物性・生物・数理物理―
大系編集委員会(編)
内容紹介
湯川秀樹・朝永振一郎・江崎玲於奈・小柴昌俊といったノーベル賞研究者を輩出した日本の物理学の底力と努力,現代物理学への貢献度を,各分野の第一人者が丁寧かつ臨場感をもって俯瞰した大著。本巻は物性・生物・数理物理関連40編を収載
編集部から
目次
VI 統計力学
34. 相転移の数理と展望
34.1 はじめに
34.2 J.D.van der Waals とと P.Weiss の平均場理論
34.3 相転移の解析的研究の草分け―転送行列法
34.4 双対牲と相転移点―幾何学的構造と代数的構造
34・5 相転移のメカニズム―平均場近似とコヒーレント異常法(CAM)
34.6 模型,厳密解および相転移研究におけるそれらの役割
34.7 相転移・臨界現象研究の特効薬としてのくり込み群の理論
34.8 計算物理と相転移の数理
34.9 非平衡系の相転移
34.10 複雑系の相転移―スピングラス
34.11 ボーズ-アインシュタイン凝縮―量子系固有の相転移
34.12 今後の展望
35. 臨界点物理学とパラダイムの転換
35.1 はじめに
35.2 静的臨界現象
35.3 動的臨界現象
35.4 古典液体の動的臨界現象
35.5 今後の問題点
36. 線形応答理論の成立
36.1 序論
36.2 揺らぎと散逸
36.3 磁気共鳴の線形応答理論
36.4 電気伝導の線形応答理論
36.5 熱的撹乱の問題
36.6 おわりに
37. 統計力学におけるGreen関数
37.1 はじめに
37.2 統計力学との出会い
37.3 統計力学における摂動論
37.4 温度Green関数
38. ボース-アインシュタイン凝縮
38.1 事の発端
38.2 凝縮系のBEC
38.3 気体原子BEC実現前夜
38.4 初めての成功
38.5 最初の5年間
38.6 原子波レーザー
38.7 今後の展望
38.8 最後に
39. レーザー冷却された原子気体のボース-アインシュタイン凝縮
39.1 超低塩にいたる新技術(レーザー冷却法)が開いた新しい可能性
39.2 レーザー冷却されたBECの観測法
39.3 理想ボース気体のBEC
39.4 弱く相互作用するボース気体のBEC
39.5 原子レーザー
39.6 引力相互作用するBEC
39.7 その他のトピックス
VII 数理物理
40. 格子ソリトンの発見
40.1 物理学と数学の間
40.2 非線形の問題
40.3 非線形格子の再帰現象
40.4 周期解をもつ非線形格子の発見
40.5 ソリトンとの出会い
40.6 その後
41. 無限自由度系への代数的アプローチ
41.1 有限自由度と無限自由度
41.2 場の量子論
41.3 局所物理量の理論
41.4 量子統計力学
42. ある流体物理屋の軌跡
42.1 Lagrange的見方とEuler的見方
42.2 日本物理学会の創立と流体力学
42.3 束大理学部1945~1960
42.4 ヨーロッパ滞在1960~1961
42.5 束大理学部1961~1975
42.6 大阪大学基礎工学部1975~1978
42.7 工学院大学1978~1987
42.8 定年後1987~
43. 非線形の物理
43.1 はじめに
43.2 ソリトン
43.3 カオスとフラクタル
43.4 パターン形成
43.5 厳密に解ける模型
43.6 まとめ
44. 非相対論的量子電気力学
44.1 はじめに―非相対論的量子電気力学
44.2 Pauli-Fierzハミルトニアン
44.3 汎関数積分
44.4 自己共役性
44.5 埋蔵固有値(埋め込まれた点スペクトル)―共鳴現象
44.6 基底状態
44.7 これからの課題
45. マクロ系の数理物理学―三つの「よい問題」をめぐって―
45.1 はじめに
45.2 Ising模型―相転移と臨界現象
45.3 量子Heisenberg模型―量子系における秩序と無秩序
45.4 Hubbard模型―強磁性の起源
VIII 原子・分子
46. 原子分子物理―国内研究50年の移り変り―
46.1 原子分子研究前史と50年間の概要
46.2 原子分子構造研究
46.3 原子分子過程研究
46.4 今後の展望
47. 原子分子物理の将来
47.1 多様な励起状態
47.2 原子衝突研究のこれから
47.3 「役に立つ研究」としての原子分子物理
48. 分子構造論
48.1 分子構造の理論
48.2 非経験的方法
48.3 半経験的方法からab intoへ
48.4 密度汎関数理論(DFT)
48.5 批判的展望
49. 高分子物理学―やわらかな物質の物理―
49.1 黎明期
49.2 高分子学の創設
49.3 新しい展開
49.4 ソフトマターの物理学
IX 固体物理
50. 結晶成長学の発展
50.1 はじめに
50.2 前史と学会活動
50.3 固・液界面の研究
50.4 環境相の研究
50.5 結晶の完全性,均質性
50.6 複雑系の結晶成長―今後の課題
50.7 おわりに
51. Anderson局在の研究―弱局在からメゾスコピック物理へ―
51.1 スケーリング理論まで
51.2 弱局在事始
51.3 半導体界2次元電子系の実験
51.4 金属薄膜2次元電子系の実験
51.5 3次元の弱局在,相互作用の効果
51.6 研究の発展
52. 磁性研究50年のあゆみ
52.1 はじめに―研究の発展を支えてきたもの―
52.2 絶縁体磁性体,とくに反強磁性の研究
52.3 s-d交換相互作用
52.4 磁性の周辺における理論展開
52.5 強い電子相関の研究
52.6 近藤効果と重いFermi粒子
53. Fermi面効果
53.1 はじめに
53.2 s-d相互作用
53.3 Anderson模型
53.4 電気抵抗極小
53.5 その後の発展
53.6 Nozieres-Dominicisの時間に依存する摂動論
53.7 芳田・山田理論
53.8 Wilsonの理論
53.9 厳密解
53.10 おわりに
54. 新強誘電体の発見をめぐって
54.1 はしがき―新強誘電体以前
54.2 新強誘電体の登場
54.3 NaNO2の特性
54.4 (NH4)2SO4系物質,Sr2GeS4系物質の強誘電性
54.5 終わりに
55. 固体表面の物理と化学
55.1 はじめに
55.2 表面構造
55.3 表面分析
55.4 表面物性
55.5 反応性
55.6 おわりに
56. フォトンファクトリー誕生のころ
56.1 始めに
56.2 光源の歴史
56.3 フォトンファクトリー計画誕生のころ
56.4 欧米の事情
56.5 学術会議による勧告
56.6 フォトンファクトリーの建設
56.7 その他の放射光施設
56.8 終わりに
57. 生物物理へのインパクト―加速器の進歩から生まれた構造生物学―
57.1 はじめに
57.2 西播磨に設置する構造生物学系研究室群のコンセプト
57.3 現状
58. 電子線ホログラフィーの発展
58.1 はじめに
58.2 ホログラフィーの発明(1948)
58.3 電子線干渉計測(1955-1972)
58.4 in-line電子線ホログラフィー(1968)
58.5 高干渉電子線の誕生(1979)
58.6 電子線ホログラフィー技術の進展
58.7 電子線ホログラフィーで開かれた応用分野
58.8 おわりに
59. 半導休の物理
59.1 本稿の構成
59.2 本文:20世紀と半導体(応用と支えあう物理)
59.3 21世紀の初頭に
60. 光物性研究50年史のある断面―固体分光から光誘起構造変化へ―
60.1 光物性事始め―固体内局在電子の研究
60.2 励起子研究草創の頃―遍歴性と自己束縛
60.3 液晶の電子状態と格子振動―弱散乱から強散乱まで
60.4 Urbach則と緩和励起子
60.5 バンド構造と励起子の内部構造
60.6 励起子の格子綬和と欠陥生成
60.7 2次光学過程―揺らぎと緩和
60.8 ポラリトン異常
60.9 巨大振動子強度と高密度励起の世界
60.10 低次元系・メゾの世界へ
60.11将来に向けて
61. 半導体素子研究の周辺
61.1 初めに
61.2 歴史的な背景,そして事の始まり
61.3 トランジスタのインパクト
61.4 迫試から本格化へ
61.5 企業の始動
61.6 研究の展開
61.7 表面の研究
61.8 そして
62. 高温超電導の展望
62.1 まえがき
62.2 BCSの壁
62.3 高温超電導の発見
62.4 高温超電導現像の特異性
62.5 今後の展望
63. 強磁場
63.1 はじめに―電磁石の時代
63.2 定常強磁場
63.3 パルスマグネット
63.4 超強磁場
63.5 今後の展望
64. メゾスコピック系
64.1 メゾスコピック系とは
64.2 金属微粒子,クラスター
64.3 電子波の干渉
64.4 コンダクタンスの量子化
64.5 クーロン・ブロッケイド
64.6 まとめと展望
65. メゾスコピック―これからの応用―
65.1 はじめに
65.2 量子コンピュータ
65.3 量子重ね合わせ状態
65.4 なぜメゾスコピックか
65.5 まとめ
66. 超格子から量子細線・量子箱まで―ナノ構造による電子的制御―
66.1 序論
66.2 量子井戸および界面電界と2次元電子
66.3 結合量子井戸・超格子と2.5次元電子
66.4 量子細線およびナノチューブと1次元電子
66.5 量子箱(ドット)内のゼロ次元電子と微小結合での単電子効果
66.6 結言と展望
X 低温物理・量子エレクトロニクス
67. 低温物理の50年
67.1 まえおき
67.2 第0世代
67.3 第1世代
67.4 第2世代
67.5 第3世代
67.6 低温物理学国際会議(LT)
67.7 超低温物理(ULT)
67.8 おわりに
68. 超伝導研究の歩み
68.1 ミクロへの歩み―黎明期の日本―
68.2 応用への試行―BCS理論の登場―
68.3 新しい時代の幕あき
68.4 疾風恕涛の60年代
68.5 応用の成熟
68.6 多彩な超伝導物質の登場から高温時代の幕明けへ
69. 超伝導の研究
69.1 はじめに
69.2 初期のモデル
69.3 B=0時代―現象論
69.4 エネルギーギャップ,コヒーレンス長,アイソトープ効果
69.5 2つの国際会議
69.6 超流動の理論
69.7 BCS理論へ
69.8 21世紀に向けて
70. 量子エレクトロニクスの変遷
70.1 量子エレクトロニクスとは
70.2 磁気共鳴
70.3 レーザー
70.4 レーザーの出現
70.5 レーザーの発達
70.6 特定研究「量子エレクトロニクス」
70.7 1970年代の国際会議と研究計画
70.8 最近のレーザー
70.9 基礎科学の量子エレクトロニクス
70.10 あとがき
XI 生物物理
71. 生命の分子物理的背景―近代的生命論"の始動―
71.1 生物⊂物質,生命活動⊂物性
71.2 生命の時間・空間・複雑さ
71.3 生命研究の機械論的アナロジー
71.4 素子の研究
71.5 生命の中に物理を見ようとする努力の歴史
71.6 わが国における生物物理の勃興
71.7 分子生物物理の使命―まとめに代えて
72. 脳の物理学―脳の構成原理と情報科学―
72.1 はじめに
72.2 脳の口的およびその=侶Jを連成するための川川し
72.3 脳の構成原理
72.4 出力依存性がもたらすもの
72.5 結び
73. タンパク質の自己集積化技術
73.1 バイオテクノロジーからナノバイオテクノロジーへ
73.2 生物の自己集積的生産法
73.3 タンパク質集積体
73.4 自己集積化技術の将来
事項索引
人名索引
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執筆者紹介
【編集】
荒船 次郎
江沢 洋
中村 孔一
米沢 富美子
大系編集委員会