大気環境の事典

大気環境学会(編)

大気環境学会(編)

定価 14,300 円(本体 13,000 円+税)

A5判/464ページ
刊行日:2019年09月10日
ISBN:978-4-254-18054-1 C3540

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内容紹介

PM2.5や対流圏オゾンによる汚染など,大気環境問題は都市,国,大陸を超える。また,ヒトや農作物への影響だけでなく,気候変動,生態系影響など多くの様々な問題に複雑に関連する。この実態を把握,現象を理解し,有効な対策を考える上で必要な科学知を,総合的に基礎からわかりやすく解説。手法,実態,過程,影響,対策,地球環境の6つの軸で整理した各論(各項目見開き2頁)に加え,主要物質の特性をまとめた物質編,タイムリーなキーワードをとりあげたコラムも充実。

編集部から

目次

1 総 論  [編集担当]大原利眞

1-1 大気汚染のエピソード  香川 順
1-2 日本の大気汚染(明治から大正、第二次世界大戦まで)  〔猿田勝美
1-3 戦後の日本の大気汚染問題 朝来野国彦
1-4 最近の日本の大気汚染 若松伸司
1-5 地球規模の大気環境 秋元 肇
1-6 気候変動のメカニズム 竹村俊彦
コラム SDG:持続可能な開発目標 田崎智宏
コラム 予防原則 櫻井健郎
1-7 越境汚染による大気環境影響 高見昭憲
1-8 産業活動による大気汚染 速水 洋
1-9 道路近くの大気汚染 小林伸治
1-10 室内空気汚染 関根嘉香
1-11 酸性雨 藤田愼一
1-12 光化学スモッグ 梶井克純
1-13 微小粒子状物質PM2.5による大気汚染 坂本和彦
1-14 アスベストによる汚染 神山宣彦
1-15 大気環境中の放射性物質 渡邊 明
コラム 戦争と大気環境 柳沢幸雄
コラム 原発事故による環境影響 五十嵐康人
1-16 火山活動による大気汚染 木下紀正
1-17 海洋と大気環境 植松光夫
1-18 森林と大気環境 谷 晃
1-19 発展途上国での大気汚染と室内汚染 中井里史
1-20 東アジアの大気汚染 大原利眞
コラム ライフサイクルアセスメント 工藤祐揮
 
2 手   法  [編集担当]大原利眞・大河内博・中井里史
2-1 地上での大気汚染連続観測 〔松木 篤〕
2-2 大気汚染観測ネットワーク 岡本祥子
2-3 国際比較・監視と測定の質を担保する 大泉 毅 
2-4 集中観測によって汚染発生機構を解明する 畠山史郎
2-5 大気汚染物質の鉛直分布観測 三浦和彦
2-6 大気汚染物質のリモートセンシング 入江仁士
2-7 宇宙から大気汚染を測る 金谷有剛
2-8 気象を観測する 皆巳幸也
2-9 有機化学分析 亀田貴之
2-10 無機化学分析 米持真一
2-11 大気試料のサンプリング 奥田知明
2-12 ガス状大気汚染物質の計測・分析 松本 淳
2-13 粒子の計測・分析 長田和雄
2-14 電子顕微鏡による分析 足立光司
2-15 放射性物質の測定 反町篤行
2-16 大気汚染物質の自動連続測定 三阪和弘
コラム ドローン(無人航空機) 三阪和弘
コラム 汚染起源のトレーサ 熊谷貴美代
2-17 排出インベントリ 森川多津子
2-18 プルーム・パフモデル 佐藤 歩
2-19 局地規模でのシミュレーション 道岡武信
2-20 都市・地域規模のシミュレーション 井上和也
2-21 全球規模での化学輸送シミュレーション 須藤健悟
2-22 大気汚染の統計モデル 飯島明宏
2-23 環境データによる発生源影響の把握:リセプタモデル 飯島明宏
2-24 シミュレーションにより発生源を推計する手法 茶谷 聡
2-25 環境観測データによる発生源の逆推計 弓本桂也
2-26 データ同化 弓本桂也
2-27 化学反応のモデリング 森野 悠
2-28 粒子化過程のモデリング 森野 悠
2-29 乾性・湿性・霧水沈着のモデリング 堅田元喜
2-30 化学物質輸送モデリング 鵜野伊津志
2-31 地域気象モデル 近藤裕昭
2-32 流跡線解析 村尾直人
2-33 疫学(研究デザインⅠ:長期曝露) 山崎 新
2-34 疫学(研究デザインⅡ:短期曝露/バイアス概論) 山崎 新
2-35 毒性影響 小林隆弘
2-36 大気汚染物質の植物影響の評価方法 伊豆田猛
2-37 気候影響の評価 高橋 潔
2-38 国内の疫学調査 新田裕史
2-39 健康影響評価のための曝露評価方法(測定、モデル、他) 中井里史
2-40 室内・個人曝露測定 雨谷敬史
2-41 リスクアセスメント 梶原秀夫
コラム 大気汚染予報 菅田誠治
  
3 過   程  [編集担当]大河内博・速水 洋
3-1 固定発生源 高橋克行
3-2 移動発生源 伊藤晃佳
3-3 大気の鉛直構造 吉門 洋
3-4 地表近くの気象 佐田幸一
コラム 都市型豪雨 大河内博
コラム 都市ヒートアイランド現象 大河内博
3-5 気象と物質輸送 嶋寺 光
3-6 大気熱力学 吉門 洋
3-7 大気中の放射過程 兼保直樹
3-8 気候変化と大気汚染 鈴木健太郎
3-9 大気の大循環 速水 洋
3-10 大気の組成・大気圏 水野建樹
3-11 地域規模の物質輸送 近藤 明
3-12 大陸規模の輸送 板橋秀一
3-13 地球規模の輸送 池田恒平
3-14 気相反応 定永靖宗
3-15 液相反応 原 宏
3-16 不均一反応 忽那周三
3-17 無機粒子の生成 佐藤 圭
3-18 有機粒子の生成 持田陸宏
3-19 沈着過程 大河内博
3-20 湿性沈着 井川 学
3-21 乾性沈着 松田和秀
3-22 オカルト沈着 大河内博
3-23 侵入・換気・シンク 篠原直秀
3-24 室内発生源 水越厚史
コラム エルニーニョ&ラニーニャ現象 梶野瑞王・安田珠幾
  
4 影 響  [編集担当]中井里史・伊豆田猛
4-1 急性影響と慢性影響 内山巌雄
4-2 自動車排ガス由来の汚染物質による健康影響 伊藤 剛
4-3 呼吸器疾患(気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患,肺がん) 島 正之
4-4 循環器疾患に対する影響 上田佳代
4-5 アレルギー(花粉症を中心に) 王青躍
4-6 その他の健康影響 上田佳代
4-7 炎症反応と免疫応答 柳澤利枝
4-8 酸化ストレス  安孫子ユミ・熊谷嘉人
4-9 変異原性・発がん性 安達修一
4-10 生殖・発生毒性 吉田成一
コラム 受動喫煙 関根嘉香
コラム 環境リスク・化学物質のリスク 中島大介
4-11 地球温暖化に伴う影響:節足動物媒介感染症 小野雅司
4-12 熱中症 小野雅司
4-13 シックハウス症候群 水越厚史・柳沢幸雄
4-14 森林衰退 河野吉久
4-15 樹木に対するオゾンの影響 伊豆田猛
4-16 農作物へのオゾン影響 米倉哲志
4-17 樹木に対する酸性降下物の影響 伊豆田猛
4-18 植物に対する地球温暖化の影響 渡辺 誠
4-19 植物に対するエアロゾルの影響 山口真弘
4-20 成層圏オゾン層の破壊とUV-B照射が植物に及ぼす影響 高橋真哉・佐治 光
4-21 緑地の大気浄化機能 小川和雄
コラム 大気汚染の文化財への影響 大河内博
  
5 対   策  [編集担当]指宿堯嗣・三阪和弘
5-1 大気環境の保全政策 石飛博之
5-2 大気環境を守る基準や指針 上野広行
5-3 発生源の監視と測定 藤原雅彦
5-4 大気環境の監視と測定 上野広行
5-5 大気環境の緊急時情報 石井康一郎
5-6 自動車排出ガスによる大気汚染の削減対策 横田久司
5-7 自動車以外の移動発生源の対策 速水 洋
5-8 自動車排ガスを浄化する 小渕 存
5-9 固定発生源からの汚染を減らす方法 伊藤茂男
5-10 固定発生源の硫黄酸化物を減らす 指宿堯嗣
5-11 固定発生源の窒素酸化物を減らす 指宿堯嗣
5-12 固定発生源の蒸発VOCガスを減らす,浄化する 尾形 敦
コラム バイオディーゼル 竹中規訓
コラム ベーパーリターン 森川多津子
5-13 固定発生源のばいじんを減らす 田森行男
5-14 水銀に関する対策技術 守富 寛
5-15 二酸化炭素の排出を減らす技術 芦名秀一
5-16 CO2 以外の温室効果ガスの排出を減らす 指宿堯嗣
5-17 固定発生源からのダイオキシン類を減らす 浦野紘平
5-18 発生源を規制する手法 北林興二
5-19 汚染された大気を浄化する技術 竹内浩士
5-20 大気汚染と地球温暖化をともに抑制する 花岡達也
5-21 室内汚染対策 東 賢一
5-22 室内空気質の制御技術 関口和彦
5-23 環境アセスメント 片谷教孝
コラム クールビズ 小野雅司
  
6 地球環境  [編集担当]大原利眞・金谷有剛
6-1 地球環境問題の概観と根源にあるもの 亀山康子
6-2 オゾン層とは 杉田考史
6-3 オゾン層の破壊:メカニズムと変化 秋吉英治
6-4 オゾン層の破壊:モントリオール議定書 中根英昭
6-5 酸性沈着と酸性雨:メカニズム       野口 泉・原 宏
6-6 酸性沈着と酸性雨:現状、影響 佐瀨裕之
6-7 酸性沈着と酸性雨:国際対策 松田和秀
6-8 地球温暖化:気温上昇と地球システムへの影響 伊藤彰記
6-9 放射強制力と長寿命温室効果気体の濃度変化 石島健太郎
6-10 長寿命気体の収支と炭素循環 遠嶋康徳
6-11 地球温暖化:排出シナリオと将来予測 増井利彦
6-12 短寿命気候汚染物質(SLCP) 秋元 肇
コラム 高温災害 大河内博
コラム 北極の温暖化と大気汚染 滝川雅之
6-13 温暖化防止のための国際的取組 亀山康子
6-14 地球規模の大気汚染物質の現状 永島達也
6-15 大気汚染物質の地球規模での排出実態 黒川純一
6-16 東アジアの広域大気汚染:観測的視点から 金谷有剛
6-17 東アジアの広域大気汚染:モデル的視点から 山地一代
6-18 東アジア大気環境保全の国際的取組 佐藤啓市
6-19 水銀に対する現状と国際的取組 丸本幸治
コラム パリ協定の長期目標 江守正多
  
7 実   態  [編集担当]中井里史・上野広行
7-1 二酸化窒素 平野耕一郎
7-2 一酸化炭素 加藤俊吾
7-3 浮遊粒子状物質 内藤季和
7-4 二酸化硫黄 加藤俊吾
7-5 光化学オキシダント 梶井克純
7-6 ベンゼン 星 純也
7-7 有機塩素化合物 星 純也
7-8 ダイオキシン類             東野和雄・山﨑正夫
7-9 微小粒子状物質PM2.5 長谷川就一
コラム 2013年初頭のPM2.5問題 大原利眞
コラム バイオエアロゾル 牧 輝弥
7-10 水 銀 丸本幸治
7-11 酸性雨・酸性降下物    村野健太郎・岩崎 綾・大泉 毅
7-12 石綿(アスベスト) 村田 克
7-13 多環芳香族炭化水素類 早川和一
7-14 ナノ粒子 藤谷雄二
7-15 臭 気 樋口隆哉
7-16 花 粉 王青躍
7-17 黄 砂 森 育子
7-18 ペルフルオロオクタンスルホルン酸/ペルフルオロオクタン酸 東條俊樹
7-19 放射性物質 廣瀬勝己
7-20 VOCs/NMHCs 伏見暁洋
7-21 窒素酸化物 坂東 博
7-22 アンモニア 櫻井達也
コラム AQI(大気質指数) 田村憲治
コラム 調理排気 田中伸幸
  
8 物 質 編  [編集担当]大河内博・奥田知明
アクリロニトリル 上野広行
アジピン酸 大河内博
アセトアルデヒド 石井康一郎
アゼライン酸 大河内博
アンモニア 櫻井達也
石綿(アスベスト) 村田 克
イソプレン 谷 晃
一酸化炭素 加藤俊吾
一酸化二窒素 上野広行
塩化ビニルモノマー 上野広行
オゾン 杉田考史
オゾン層破壊物質 杉田考史
温室効果気体 石島健太郎
海塩粒子 三浦和彦
界面活性物質 大河内博
各種SVOC 上野広行
キシレン 上野広行
揮発性有機化合物VOC 上野広行
金属ニッケルおよびニッケル化合物 奥田知明
グルタル酸 大河内博
クロム 大河内博
クロロフルオロカーボン(CFC) 大河内博
クロロホルム 大河内博
クロロメタン 大河内博
元素状炭素 大河内博
黄砂エアロゾル 森 育子
コハク酸 大河内博
酸化エチレン 上野広行
四塩化炭素 大河内博
ジカルボン酸 大河内博
1,2-ジクロロエタン 上野広行
p-ジクロロベンゼン 上野広行
ジクロロメタン 上野広行
重金属 奥田知明
シュウ酸 大河内博
硝酸 大河内博
硝酸塩 大河内博
水銀およびその化合物 丸本幸治
ストロンチウム 反町篤行
スベリン酸 大河内博
セシウム 反町篤行
多環芳香族炭化水素 亀田貴之
たばこ煙 中井里史
窒素酸化物 平野耕一郎
テトラクロロエチレン 上野広行
1,1,1-トリクロロエタン 大河内博
トリクロロエチレン 上野広行
トルエン 上野広行
ナノ粒子 藤谷雄二
二酸化硫黄 加藤俊吾
二酸化炭素 大河内博
ハイドロクロロフルオロカーボン 大河内博
ハイドロフルオロカーボン 大河内博
ハーフルオロカーボン 大河内博
ハロン 大河内博
微小粒子状物質 高橋克行
●ヒ素およびその化合物 大河内博
・亜ヒ酸 大河内博
・三酸化ニヒ素 大河内博
・ヒ化水素 大河内博
・ヒ素 大河内博
・ヒ酸 大河内博
非メタン炭化水素(NMHC) 金谷有剛
1,3-ブタジエン 梶原秀夫
フタル酸 大河内博
フミン様物質(HULIS) 大河内博
浮遊粒子状物質(SPM) 高橋克行
プロモメタン 大河内博
ベリリウム 大河内博
ペルフルオロオクタンスルホン酸 東條俊樹
ベンゼン 上野広行
ベンゾaピレン 亀田貴之
ポリ塩化ジベンゾ-パラージオキシン 大河内博
ポリ塩化ジベンゾフラン 大河内博
ポリ塩化ビフェニル 大河内博
ホルムアルデヒド 石井康一郎
マロン酸 大河内博
マンガンおよびその化合物 東 賢一
メタン 猪俣 敏
モノテルペン 谷 晃
有害大気汚染物質 上野広行
有機態炭素(OC) 長谷川就一
ヨウ素 反町篤行
ラドン 反町篤行
硫化カルボニル 大河内博
硫化ジメチル 大河内博
硫化水素 大河内博
硫酸および硫酸塩 米持真一
レボグルコサン 萩野浩之
六フッ化硫黄 大河内博
 コラム 農薬散布・農薬の影響 柳沢幸雄

付   録 
付録1 大気汚染に係る環境基準 
付録2 大気汚染に係る指針値等 
付録3 固定発生源からの大気汚染に係る排出規制等 
付録4 厚生労働省の室内濃度指針値 
付録5 緊急時の措置を取るべき場合(大気汚染防止法施行令第11条別表五) 
付録6 硫黄酸化物に係る緊急時措置の発令状況 
付録7 硫黄酸化物に係る緊急時措置の発令回数(5都府県の例) 
付録8 光化学オキシダント注意報・警報の発令状況 
付録9 注意喚起のための暫定的な指針 
付録10 大気環境年表 

執筆者紹介

【編集委員会】
委員長 大原利眞 (国研)国立環境研究所 福島支部
幹 事 大河内博 早稲田大学理工学術院創造理工学部
幹 事 中井里史 横浜国立大学大学院環境情報研究院
委 員 伊豆田猛 東京農工大学大学院農学研究院
委 員 指宿堯嗣 (一社)産業環境管理協会
委 員 上野広行 (公財)東京都環境公社 東京都環境科学研究所
委 員 奥田知明 慶應義塾大学理工学部
委 員 金谷有剛 (国研)海洋研究開発機構 地球表層システム研究センター
委 員 速水 洋 (一財)電力中央研究所 環境科学研究所委員 
委 員 三阪和弘 グリーンブルー(株)

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