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内容紹介
構造・構法の面に注目して建築の歴史を再構築。〔内容〕構造から見た日本の木造建築(軸組構法,屋根と軒,構造・耐震補強,他)/社寺建築の発達(仏堂,神社本殿・塔・門ほか)/住宅系建築の構造(農家,町家,他)/城郭建築の構造(天守・櫓,城郭の門と塀,他)/各部構法の変遷(屋根,壁,開口部,他)/建築生産(生産組織,設計・施工方法,他)/明治以降の木造建築(木骨石造・木骨煉瓦造,他)/現代の伝統構法(修理技法,構造実験と理論解析,構造補強,他)
編集部から
UTokyo BiblioPlaza(東京大学教員の著作を著者自らが語る広場)で紹介されました。
https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/J_00028.html
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目次
序 章 構造から見た日本の木造建築【編集:坂本 功】
0.1 軸組構法の変遷 [坂本 功]
0.1.1 軸組構法の構造形式
0.1.2 掘立柱
0.1.3 礎石建
0.1.4 耐力壁としての土壁
0.1.5 長押による半剛節ラーメン
0.1.6 貫による半剛節ラーメン
0.1.7 筋かい入り
0.1.8 面材張り
0.2 屋根と軒の支え方[坂本 功]
0.2.1 屋根の支え方
0.2.2 軒の支え方
0.3 伝統構法の地震・台風被害[坂本 功]
0.3.1 歴史的被害
0.3.2 阪神・淡路大震災とそれ以降の被害
0.4 構造・耐震補強[坂本 功]
0.4.1 補強の略史
0.4.2 最近の補強例
0.4.3 伝統構法の補強と新築の問題点
第1章 社寺建築の発達1-仏堂[編集:清水真一]
1.1 軸 組
1.1.1 掘立柱から礎石建へ[島田敏男]
1.1.2 身舎・庇による構成
1.1.3 頭貫の構法
1.1.4 長押による軸組
1.1.5 床 組
1.1.6 貫の導入[上野勝久]
1.1.7 筋かいの採用
1.1.8 懸 造
1.1.9 見せる架構
1.1.10 建登せ柱の架構
1.2 小屋組と軒
1.2.1 化粧屋根裏の基本構造[熊本達哉]
1.2.2 天井裏の架構
1.2.3 双堂の屋根
1.2.4 野屋根の成立[清水真一]
1.2.5 桔木の導入
1.2.6 束立ての小屋組
1.2.7 二重小屋構造
1.2.8 小屋筋かいの使用
1.2.9 小屋貫の導入
1.2.10 桁行小屋梁の出現(小屋組の変化)
1.2.11 和小屋の発展
1.2.12 組 物[熊本達哉]
1.2.13 垂 木
第2章 社寺建築の発達2-神社本殿・塔・門ほか[編集:大野 敏]
2.1 神社本殿
2.1.1 神社本殿建築の特異性[豊城浩行]
2.1.2 身舎庇構造と固有形式
2.1.3 複合化の進展と屋根形態の複雑化[豊城浩行/渡邉(山本)薫子]
2.2 塔
2.2.1 日本における木造仏塔の基本形式とその起源[大野 敏]
2.2.2 層塔の構造とその変化
2.2.3 木造檐塔の構造:唯一の遺構―談山神社十三重塔
2.2.4 宝塔・多宝塔の構造[大野 敏/岡 信治]
2.3 門
2.3.1 二重門[箱崎和久]
2.3.2 楼 門
2.3.3 単層門 [春日井道彦]
2.4 その他
2.4.1 門以外の楼造[金子隆之]
2.4.2 鐘 楼
2.4.3 校 倉 [金子隆之/清水陽芳]
2.4.4 板 倉[金子隆之]
2.4.5 回廊・築地
第3章 住宅系建築の構造[編集:光井 渉]
3.1 縄文・弥生・古墳時代の建築構法[清水重敦]
3.1.1 縄文・弥生・古墳時代建築の類型と共通性
3.1.2 構法上の特徴
3.1.3 歴史時代へ
3.2 農家建築の構法
3.2.1 棟持柱構造と垂木構造[光井 渉]
3.2.2 扠首構造
3.2.3 上屋と下屋
3.2.4 構法の進展:柱の移動
3.2.5 構法の進展:構造のブロック化
3.2.6 構法の進展:軸組と小屋組
3.2.7 曲家(接合の構法)[平山育男]
3.2.8 多層化の構法
3.3 町家建築の構法[光井 渉]
3.3.1 農家・武士住宅・城郭と類似する構法
3.3.2 側壁と通柱を用いた構法
3.3.3 高層化の手法
3.4 各種住宅建築の構法
3.4.1 貴族と僧侶の住宅[山口俊浩]
3.4.2 書院造[大和 智/光井 渉]
3.4.3 武家住宅[御船達雄]
第4章 城郭建築の構造[編集:後藤 治]
4.1 天守・櫓[後藤 治]
4.2 城郭の門と塀[箱崎和久/西山和宏]
4.2.1 城 門
4.2.2 塀
4.3 各部構法
4.3.1 石 垣 [後藤 治/二村 悟/澤田浩和]
4.3.2 壁[澤田浩和]
4.3.3 石 落
第5章 各部構法の変遷[編集:後藤 治]
5.1 屋 根[黒坂貴裕]
5.1.1 瓦
5.1.2 植物系:樹皮葺
5.1.3 植物系:茅葺
5.1.4 植物系:板葺
5.1.5 その他の葺材
5.1.6 下地構法,軒裏の納まり
5.2 壁[平井俊行]
5.2.1 土 壁
5.2.2 板 壁
5.2.3 その他の壁
5.3 開口部
5.3.1 建 具[後藤 治]
5.3.2 茶室の開口部[後藤 治/澤野堅太郎/菅澤 茂]
5.4 基 礎
5.4.1 掘立柱と礎石[箱崎和久]
5.4.2 基壇とその構法
5.4.3 土 台[後藤 治]
5.5 接合部・金具
5.5.1 継手,仕口[源 愛日児]
5.5.2 接合部金具:釘・鎹[鳴海祥博/鈴木徳子]
5.5.3 装飾用金具[窪寺 茂]
5.5.4 扉金具
第6章 建 築 生 産[編集:後藤 治]
6.1 生産組織[山之内 誠]
6.1.1 営繕組織
6.1.2 工匠(木工)
6.1.3 その他の工匠
6.2 設計・施工方法
6.2.1 模 型[山之内 誠]
6.2.2 図 面
6.2.3 枝割,六枝掛け
6.2.4 木 割
6.2.5 柱割と畳割
6.2.6 論治垂木,規矩
6.2.7 番 付[清水真一]
6.3 木の建築をつくる主要道具[渡邉 晶]
6.3.1 技術と道具
6.3.2 スミツボ(墨斗)とサシガネ(曲尺)
6.3.3 オノ(斧)
6.3.4 ノミ(鑿)
6.3.5 ノコギリ(鋸)
6.3.6 カンナ(鐁・鉋)
第7章 明治以降の木造建築 [編集:大橋好光]
7.1 木造建築構法の近代化[源 愛日児]
7.1.1 洋風技術の導入
7.1.2 明治前半期の洋風木造建築
7.1.3 学士建築家の洋風木造建築
7.1.4 木造建築の耐震化
7.2 木骨石造・木骨煉瓦造[福濱嘉宏]
7.2.1 木骨石造・木骨煉瓦造の概要
7.2.2 木骨石造
7.2.3 木骨煉瓦造
7.2.4 木骨コンクリートブロック造
7.2.5 木骨石造・木骨煉瓦造の土着的な流れ
7.3 伝統構法から軸組構法へ[大橋好光]
7.3.1 モデュール
7.3.2 基 礎
7.3.3 架構・軸組
7.3.4 接合部
7.3.5 壁の構法
7.3.6 屋 根
7.4 木質プレハブ構法・ツーバイフォー構法 [大橋好光]
7.4.1 木質プレハブの誕生
7.4.2 木質プレハブの特徴
7.4.3 木質プレハブとツーバイフォー構法
7.4.4 ツーバイフォー前史
7.4.5 ツーバイフォーの登場
7.4.6 現代のツーバイフォー構法
7.4.7 プレハブ住宅の危機と回復
7.5 木造軸組構法の新しい展開[大橋好光]
7.5.1 べた基礎の普及と立ち上がり高さ・厚みの増大
7.5.2 ねこ土台構法と樹脂製・金属製の束の普及
7.5.3 機械プレカットの伸張
7.5.4 高性能接合金物の普及と構造金物の登場
7.5.5 パネル化
7.5.6 エンジニアードウッドの普及
7.5.7 特殊な架構
7.6 大規模木造建築[腰原幹雄]
7.6.1 新興木構造(1900-50)・集成材構造初期(1950-60)
7.6.2 第一期黄金期(1950-60)
7.6.3 復権期(1980-90)
7.6.4 木質ラーメン架構(1990-)
7.6.5 展開期(1990-2000)
第8章 現代の伝統構法[編集:藤田香織/大野 敏]
8.1 災害と木造建築
8.1.1 地 震[藤田香織]
8.1.2 地震津波
8.1.3 台 風
8.1.4 木造建造物の劣化[青木繁夫]
8.2 修理技法
8.2.1 仮設の技法[武藤正幸]
8.2.2 解体の技法[野尻孝明]
8.2.3 基礎の修理技法
8.2.4 軸部・軒の修理技法[武藤正幸]
8.2.5 小屋組の修理技法
8.2.6 屋根の修理技法[野尻孝明]
8.2.7 土壁の修理技法
8.2.8 塗装の修理技法[武藤正幸]
8.2.9 保存科学[青木繁夫]
8.3 構造実験と理論解析
8.3.1 柱[藤田香織]
8.3.2 接合部 [竹村雅行]
8.3.3 壁 体[藤田香織]
8.3.4 組 物
8.3.5 床,屋根,天井[腰原幹雄]
8.3.6 全体系(常時微動測定および水平加力試験) [前川秀幸]
8.4 構造補強の原理と実例
8.4.1 長期鉛直力(1):東大寺金堂[西澤英和]
8.4.2 長期鉛直力(2):清水寺三重塔
8.4.3 短期水平力[河合直人/山﨑 泉]
8.4.4 鉛直構面の補強事例
8.4.5 水平構面の補強事例
8.4.6 免振・制振の事例
8.5 伝統木造の再現と新造
8.5.1 平城宮朱雀門の再現[木林長仁/春日井道彦]
8.5.2 薬師寺大講堂の復原[西澤英和/山本克巳]
8.5.3 大洲城の復元[前川 康]
8.5.4 永明院五重塔の新造[花里利一]
事 項 索 引
建造物名索引