「肺切除術」のDVD版ビデオ＋解説書。著者が長年にわたり撮影しておいた数多くの肺手術から，代表的な基本手技を鮮明な動画約60分に収録した。呼吸器外科の医師が，実際の手術を見るのと同じ学習効果が得られるように編集されている

【著者から】
　このDVDビデオは著者が長年にわたり撮影した呼吸器外科の代表的な術中ビデオから，肺切除術の基本手技を教科書的に編集・作製したものです。DVDビデオではイラストや文章では表現しきれないところが描写されており，一目瞭然の手法による学習効果はきわめて大きいと確信します。
　ビデオの編集は，肺切除術の基本的手技が最大限に理解できるように工夫しながら著者自身が行い，さらに手技の細かいコツを著者自らのナレーションで解説しています。DVDディスクはビデオテープとは異なり，目次メニューから見たい項目を即座に選択でき，項目を何度も反復したり，自由に横断できるなどの利点があります。
　近年，内視鏡手術の普及により呼吸器外科を学ぶ人たちが標準的開胸術による肺切除に触れる機会が少なくなってきました。しかし今でも肺切除の基本は開胸術であることには変わりがありません。また，内視鏡手術がいくら発達したとはいえ，術中に一旦合併症が起これば開胸術に移行せざるをえず，開胸による肺切除の基本的技術は常に備えておかなければなりません。標準的開胸術に立ち会う機会が減った昨今，その学習には別の方法で補う必要があり，ひとつの手段としてこのDVDビデオを製作・刊行しました。
　手術手技の習得では，各大学の教室あるいは各病院で長年受け継がれてきた伝統的手法を守りつつ，個人個人が自分独自の手技を完成させていく必要があります。最も大切なことは多くの先達の手術を観て，自分が良いと思った点を取り入れて技術を磨いていくことであり，本DVDがその一助となることを期待しています。
　DVD全体は基本手技編と症例編の2部構成で，肺切除術の手技を最大限に理解できるように工夫されています。専門の呼吸器外科医のみならず，呼吸器手術に携わる麻酔医や看護士，呼吸器外科を勉強中の学生の方々にも十分に理解していただけるものとなっています。