見てわかる農学シリーズ 1 遺伝学の基礎 (第2版)

北柴 大泰西尾 剛(編著)

北柴 大泰西尾 剛(編著)

定価 4,070 円(本体 3,700 円+税)

B5判/192ページ
刊行日:2018年09月15日
ISBN:978-4-254-40549-1 C3361

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内容紹介

農学系学生向き「見やすく」「わかりやすい」遺伝学の教科書,改訂版。〔内容〕遺伝子の伝達/遺伝子操作・単離・発現解析・導入法・同定/ゲノム/量的形質/細胞遺伝学/細胞質遺伝/エピジェネティクス/集団遺伝学・進化系統学/他

編集部から

お詫び:クレジット表記漏れについて
『遺伝学の基礎 第2版』におきまして,図提供者のクレジット表記漏れがございました.
お詫びして訂正させていただきます.

p.158 図15.2 (原図:秋田県立大学 北本尚子博士)

図の権利者の方にはご迷惑をおかけし,誠に申し訳ございませんでした.

目次

1. 遺伝と遺伝子の伝達
 1.1 身近な遺伝現象と形質
 1.2 染色体
  a. 核内のDNA
  b. 染色体の構造
 1.3 細胞分裂と染色体の分配
  a. 体細胞分裂と染色体の分配
  b. 減数分裂と染色体の分配
  c. 遺伝子の挙動
  d. 核相
  e. 配偶子の遺伝的多様性
 1.4 生殖の様式
  a. 無性生殖と有性生殖
  b. 植物の受精

2. 古典遺伝学的な遺伝子の概念
 2.1 メンデルの3法則
  a. メンデルの法則以前の遺伝学
  b. 分離の法則と優性の法則
  c. 遺伝子の表記
 2.2 対立遺伝子の関係
  a. 不完全優性と共優性
  b. 複対立遺伝子
 2.3 遺伝子座間の関係
  a. 独立の法則
  b. 2遺伝子の相互作用
 2.4 遺伝子の様々な作用
  a. 致死遺伝子
  b. キセニア
  c. 主働遺伝子と微働遺伝子
  d. 多面発現
 2.5 伴性遺伝と母性遺伝
  a. 伴性遺伝
  b. 母性遺伝(母系遺伝)
 2.6 酵素と遺伝子
 2.7 突然変異遺伝子
 2.8 分離比の検定

3. 染色体と遺伝子
 3.1 染色体上の遺伝子
  a. 遺伝子の連鎖
  b. 連鎖群
  c. 独立の法則と連鎖の違い
 3.2 交さと組換え
  a. 交さ
  b. 遺伝子の組換え
  c. 減数分裂期における相同組換えのしくみ
  d. 体細胞分裂で起こる相同組換え
 3.3 組換え価
  a. 組換え価
  b. 検定交雑
 3.4 染色体地図
  a. 遺伝地図
  b. 物理地図
 3.5 遺伝子のシンテニーと染色体
  a. マクロシンテニー
  b. マイクロシンテニー

4. 細胞遺伝学
 4.1 染色体と核型
  a. 染色体の形態
  b. 核型分析
  c. 性染色体
 4.2 倍数性
  a. 同質倍数体
  b. 異質倍数性
  c. 倍数体のゲノム分析
  d. 人為倍数体
 4.3 染色体異常
  a. 染色体数の異常
  b. 異種染色体添加系統
  c. 構造変異
 4.4 半数体
 4.5 分子細胞遺伝学の発展
  a. FISH法による染色体マッピング
  b. GISH法による染色体塗り分け

5. 遺伝子の実体
 5.1 DNAの構造
 5.2 DNAの複製
 5.3 RNAと転写機構
  a. RNAの構造と転写
  b. mRNAと転写制御配列
  c. RNAスプライシング
 5.4 RNAの種類と機能
 5.5 翻訳機構
 5.6 原核生物と真核生物の遺伝子発現機構の違い

6. 遺伝子操作
 6.1 DNAの増幅―PCR法
 6.2 制限酵素とDNAリガーゼ
  a. 制限酵素
  b. DNAリガーゼ
 6.3 プラスミドベクターによるクローニング
 6.4 相同組換えを利用したクローニング
 6.5 DNAの精製
 6.6 ゲル電気泳動の原理

7. 遺伝子単離
 7.1 PCR法による遺伝子単離
 7.2 ゲノムDNAライブラリー
 7.3 cDNAライブラリー
 7.4 ライブラリーのスクリーニング
  a. ハイブリダイゼーション法によるスクリーニング
  b. PCR法によるスクリーニング
 7.5 塩基配列決定の原理
 7.6 次世代シーケンサーによる塩基配列決定の原理
 7.7 サザンブロット法

8. 遺伝子発現解析
 8.1 mRNA量(転写量)の分析
  a. ノーザンブロット分析
  b. RT-PCR法による分析
  c. リアルタイムRT-PCR法による分析
 8.2 mRNAの網羅的な分析(トランスクリプトーム解析)
  a. マイクロアレイ分析
  b. RNA-Seq法
 8.3 タンパク質の量(翻訳量)の分析
  a. 電気泳動によるタンパク質の分画
  b. ウエスタンブロット法による分析
  c. タンパク質の網羅的分析
 8.4 プロモーター活性の解析

9. 遺伝子導入法
 9.1 導入遺伝子の構築
  a. 導入遺伝子を含むベクターの構築
  b. 選抜マーカー遺伝子
 9.2 アグロバクテリウム法
  a. T-DNAとvir遺伝子
  b. 植物への感染,選抜,再分化
 9.3 直接導入法
 9.4 形質転換体の解析
  a. 導入遺伝子の確認
  b. 導入遺伝子の発現解析
 9.5 形質転換体の利用
  a. 遺伝子発現機構の解明
  b. 作物の遺伝的改変のための形質転換体の利用
 9.6 形質転換体の取り扱い

10. 遺伝子同定
 10.1 順遺伝学的解析
  a. 遺伝子同定のための材料作製
  b. DNAマーカーによる遺伝子マッピング
  c. マップベースクローニング法
  d. 相補実験による候補遺伝子の証明
  e. トランスポゾンタギングによる遺伝子同定
 10.2 逆遺伝学的解析
  a. T-DNAなどによるタギング
  b. TILLING
  c. RNAi
  d. ゲノム編集

11. 量的形質の遺伝
 11.1 量的形質と質的形質の違い
 11.2 主働遺伝子と微働遺伝子
 11.3 量的形質における環境効果と遺伝効果
 11.4 相加効果と優性効果
  a. 広義の遺伝率
  b. 狭義の遺伝率
  c. 相加効果と優性効果
  d. 狭義の遺伝率と量的形質に対する選抜効果
 11.5 QTL解析
  a. 表現型値と遺伝子型値
  b. QTLマッピングの原理
 11.6 アソシエーション研究
  a. アソシエーション解析とQTL解析
  b. 連鎖不平衡とアソシエーション研究の原理
  c. ゲノムワイド関連解析(GWAS)

12. ゲノム
 12.1 ゲノムの構造
  a. ゲノムサイズ
  b. 真核生物のゲノムの構造
  c. ゲノム構造の変化と進化
  d. ゲノムプロジェクト
  e. ゲノム解読技術の進歩
 12.2 ゲノムデータベースと塩基配列分析
  a. ゲノムデータベース
  b. バイオインフォマティクス
  c. 相同配列比較
  d. 遺伝子の機能分類
  e. 遺伝子,タンパク質のネットワーク解析

13. 細胞質遺伝
 13.1 葉緑体とゲノム
  a. ゲノムの構造
  b. 葉緑体遺伝子の発現とその制御
 13.2 ミトコンドリアゲノム
  a. ゲノムの構造
  b. ミトコンドリア遺伝子の発現とその制御
 13.3 核と細胞質の相互作用
  a. 葉緑体遺伝子と核遺伝子の相互作用
  b. ミトコンドリアと細胞質雄性不稔
  c. 細胞質雄性不稔に関する稔性回復遺伝子
  d. 細胞質雄性不稔の原因遺伝子の特徴
  e. 稔性回復遺伝子の実体
 13.4 葉緑体形質転換

14. エピジェネティクス
 14.1 エピジェネティクスとは
 14.2 エピジェネティックな制御機構
  a. DNAのメチル化
  b. ヒストンの化学修飾
 14.3 エピゲノム解析
  a. 全ゲノムDNAメチル化解析(メチローム解析)
  b. 全ゲノムヒストン修飾解析
 14.4 植物に見られるエピジェネティックな現象の具体例
  a. トランスポゾンサイレンシング
  b. パラミューテーション
  c. 春化
  d. エピジェネティック変異体

15. 集団遺伝学と進化系統樹
 15.1 集団とは?
 15.2 集団進化のしくみ
  a. 遺伝子頻度(対立遺伝子頻度)
  b. 任意交配
  c. 近親交配
  d. 近交係数
 15.3 集団の変化
  a. 2つの進化説
  b. 集団内の多型の維持機構
  c. 遺伝子頻度変化の原因
 15.4 分子系統樹
  a. 距離行列法
  b. 形質状態法

16. 遺伝学の応用―植物育種の成果と可能性―
 16.1 植物育種の成果
 16.2 遺伝子マーカー育種
 16.3 遺伝子組換え品種
  a. 遺伝子組換え品種の利用
  b. 遺伝子組換え品種の問題点
 16.4 新しい植物育種技術 New Breeding Techniques(NBT)
 16.5 品種判別

■コラム■
“element”が染色体に位置付けられるまで
遺伝学用語の変更―優性,劣性から顕性,潜性へ―
染色体地図と組換え抑制
交雑
遺伝子の実体の発見
人工遺伝子合成
次世代シーケンサーのさらなる技術革新
闇夜を照らす衣料
ゴールデンライスは2つの遺伝子導入でも作出できた
ゲノム解析の変遷と遺伝子同定への貢献
育種学と統計
遺伝子を破壊することもあるトランスポゾンは,なぜゲノムに大量に存在するのか?
一代雑種育種法と細胞質雄性不稔,稔性回復遺伝子
非コードRNAの役割とは?
日常的な進化という言葉の使い方の正誤
ヌルセグリガントは遺伝子組換え作物なのか?

執筆者紹介

《編著者》
北柴大泰 東北大学大学院農学研究科
西尾 剛 東北大学名誉教授

《著者》
笹沼恒男 山形大学農学部
鈴木 剛 大阪教育大学教育学部
執行正義 山口大学大学院創成科学研究科
貴島祐治 北海道大学大学院農学研究院
畠山勝徳 岩手大学農学部
肥塚信也 玉川大学大学院農学研究科
奥本 裕 京都大学大学院農学研究科
三井裕樹 東京農業大学農学部
藤本 龍 神戸大学大学院農学研究科

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