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現代民俗誌の地平 2 権力
赤坂 憲雄(編)
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内容紹介
これまで民俗学ではほとんど扱われてこなかった「権力」というキーワードに取り組む意欲作〔内容〕ムラの選挙と民主主義/ムラと農協の有機的関係/王権にまなざされた島/民謡の出現とメディア/同族神の地政学/狩猟・市場経済・国家/他
編集部から
目次
総論 権力をめぐる民俗誌は可能か
一 民俗学の愉しさについて
二 ムラの政治の影が射して
三 民俗誌の初志はどこにあるか
第一章 狩猟・市場経済・国家
-帝国戦時体制下における軍部の毛皮市場介入
一 国際毛皮市場の動向と日本
二 軍部の市場介入
三 国策としての狩猟
四 狩猟集落の変容
第二章 民俗としてのムラの選挙と民主主義
-甲州からの事例報告
一 ムラ祭りとしての選挙
二 ムラの体面
三 ムラの平和と調整
第三章 ムラと農協をめぐる有機的関係と主導権
-ある甘藷生産集団の活動誌
一 問題の所在 -ムラと農協
二 甘藷生産集団から見た農協-茨城県牛久市の事例
三 まとま-主導権を持った下部組織から農協へのアクション
第四章 戦時下の郷土食研究をどう評価するか
一 決戦下の「郷土食」
二 「郷土食」 の理念
三 「貧しさの象徴」だった郷土食
四 うらはらの郷土食研究
第五章 民謡を出現させた権力とメディア
-「能登麦屋節」を中心として
一 民謡と近代
二 能登麦屋節の生成(1)-戦前
三 能登麦屋節の生成(2)-戦後の民謡の創出
四 民謡が生成する位相
第六章 芸能のポピュラリティーと演者の実践
-浪曲師・天龍三郎の口演空間の獲得史
一 家族・入門・師弟-一〇代における興行の経験
二 経験されるメディア、戦地で求められる演芸
-プロとして「国民」としての二〇代
三 復員後の浪曲界と新しい試み
第七章 同族神の地政学
-地主と大将軍
一 権力装置としての同族神
二 神の申し子 -開拓伝承と村落構造
三 地主と地主神
四 物語られた大将軍の栄光と悲惨
五 貴種流離譚の行方
第八章 王権にまなざされた島
-沖縄・久高島
一 久高島と王権
二 村落祭祀組織
三 八月行事と王権-ヨーカピーとテーラーガーミを中心に
第九章 「民俗誌」というささやかな初志について・ノート
-その幻想のありかと来歴にまつわる、極私的考察:
一 改めて、いま、「民俗誌」を語ることの意味
二 柳田国男の構想と、現前化しなかった初志
三 「民俗誌」に向かうための条件
索 引
執筆者紹介
【編集者】赤坂憲雄
【執筆者(執筆順)】赤坂憲雄,田口洋美,杉本 仁,和田 健,六車由実,川村清志,真鍋昌賢,金田久璋,赤嶺政信,大月隆寛