ⓔコラム11-3-1 全身状態不良例

全身状態不良例では,過大な侵襲を避ける目的で腹腔鏡を併用した低侵襲外科手術の報告もある1).本症例は,まれな疾患でもあり,初診から24時間以内に診断に至るものが50%前後とされている2).誤った診断,診断の遅れによって重症化への移行や死亡に至る.嘔吐を契機にした胸痛,上腹部痛,縦隔気腫,水気胸や呼吸困難を認めた場合は,特発性食道破裂を鑑別に挙げておく必要がある.

〔後藤田卓志〕

■文献

  1.  林 博之,岩崎昭憲,他:腹腔鏡および術中上部消化管内視鏡が有用であった特発性食道破裂の1例.胸部外科,2005; 58: 419–421.

  2.  米山克也,今田敏夫,他:特発性食道破裂の8例の臨床的特徴.臨床的検討―本邦323例の検討.臨牀と研究,1996; 73: 138–142.