ⓔコラム11-4-24 便秘
症状
排便回数の減少 (週3回未満の自然排便),硬便,残便感,排便困難,腹痛・腹部膨満感などがみられる.
原因・病態
胃–結腸反射の減弱,食事量の減少,食物繊維・水分・脂肪の摂取量低下,骨格筋肉量 (特に腹筋) の減少による腹圧の低下,運動不足,腸管の癒着,などにより生じる.胃切除後患者の便通異常と腸内細菌叢の乱れ・腸内環境の異常との関連性が報告されている1).
診断
排便状況の確認による.
治療
ⅰ) 食事生活指導: 十分量の水分・食物繊維 (おもに水溶性) ・脂肪の摂取を促す.規則的な運動習慣 (20~30分程度のウォーキング) をつける.便意を我慢せずすぐに排便を試みる.毎日決まった時間 (朝食後など) に排便を試みる.排便時には前傾姿勢をとり腹部マッサージや下腹部の用手圧迫を行う.
ⅱ) 薬物治療: 緩下薬,消化管運動改善薬,漢方製剤,便秘治療薬などを投与する.刺激性下剤の使用は頓用にとどめる.長期に続く場合は器質的疾患を除外する.
〔中田浩二〕
■文献