ⓔコラム12-6-10 アルコール健康障害対策基本法がもたらすアルコール医学・医療の展開
国際的にアルコール関連問題が重要性を増していることを受けて,世界保健機関 (World Health Organization: WHO) は2010年に「アルコールの有害事象に対する世界的な治療戦略」を策定した.わが国でも2014年6月,「アルコール健康障害対策基本法」が施行され,2016年にはアルコール健康障害対策推進基本計画が発表された1).アルコール性肝障害には医学・医療的側面だけではなく,アルコール関連問題の諸要素も関与することから,それら多面的な問題点を理解し,同症の診療に当たらねばならない.アルコール関連問題に対する国際機関や国による本格的な取り組み,病態解明と薬物治療の進展ならびに医療連携を推進する環境整備など,アルコール医学・医療はさまざまな面で新たな展開期を迎えている2).
〔竹井謙之〕
■文献
厚生労働省:アルコール健康障害対策.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html
竹井謙之編:特集アルコール医学・医療の最前線2020 UPDATE.医学のあゆみ,2020; 274.