ⓔコラム12-6-6 飲酒と過栄養
飲酒に伴う栄養障害に関しては,かつて低栄養の弊害が強調されてきたが,現在では過栄養による肥満や糖尿病の合併が問題となりつつある.Rotilyらは,大量飲酒者においては高脂肪食をより多く摂取するものの方が肝硬変に進展しやすいと報告している1).アルコール依存者の多数の肝組織の検討からも,年齢,飲酒期間,性別に加え体重過多が肝硬変進展危険因子となることが明らかになりつつある2).
〔竹井謙之〕
■文献
Rotily M, Durbec JP, et al: Diet and alcohol in liver cirrhosis: a case–control study. Eur J Clin Nutr, 1990; 44: 595–603.
Naveau S, Giraud V, et al: Excess weight risk factor for alcoholic liver disease. Hepatology, 1997; 25: 108–111.