ⓔコラム14-3-2 感染関連腎炎の診断マーカーとしてのNAPlr
APSGNの診断にはNAPlr,plasmin活性の組織染色が有用であるが,近年これらの染色が非溶連菌性の肺炎球菌感染関連糸球体腎炎などでも陽性となることが明らかにされた1).この理由としてNAPlrが溶連菌のGAPDHと同一物質であることが挙げられる.すなわちGAPDHはその蛋白質としての特性上,種を超えて普遍的に発現し各種細菌間で高いホモロジーを有する可能性が高く,プラスミン結合活性など機能面での共通性も考えられる.この意味でNAPlr,プラスミン活性の染色が感染関連糸球体腎炎全般のマーカーとして有用である可能性が示唆される2).
〔有馬秀二〕
■文献
Nasr SH, Radhakrishnan J, et al: Bacterial infection–related glomerulonephritis in adults. Kidney Int, 2013; 83: 792–803.
Nasr SH, D’Agati VD: IgA–Dominant Postinfectious Glomerulonephritis. A New Twist on an Old Disease. Nephron Clin Pract, 2011; 119: c18–c25.
Wang SY, Bu R, et al: Clinical, pathological, and prognostic characteristics of glomerulonephritis related to staphylococcal infection. Medicine, 2016; 95: e3386.