ⓔコラム15-17-2 骨代謝マーカー
骨粗鬆症の診断・治療は骨密度を中心に行われるが,骨代謝の動的指標として骨代謝マーカーが用いられている.また,骨代謝マーカーの使用により,よりいっそう適切に薬剤の選択・効果判定・服薬アドヒアランスの確認ができると考えられている.骨代謝マーカーには,骨形成マーカー,骨吸収マーカー,骨マトリックスマーカーの3種類が知られており (表1)1),薬剤ごとにモニタリングに適したマーカーの種類も異なる.骨代謝を支え,また転倒リスクと関係の深いビタミンD欠乏2,3)については,長らく臨床の現場での評価方法がなかったが,2018年より血清25–ヒドロキシビタミンD濃度測定によるビタミンD欠乏の判定が骨粗鬆症患者においても可能となった.
〔鈴木敦詞〕
■文献
日本骨粗鬆症学会 骨代謝マーカー編集委員会編:骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイド 2018年版,日本骨粗鬆症学会,2018.
Hossein–nezhad A, Holick MF: Vitamin D for health: a global perspective. Mayo Clin Proc, 2013; 88: 720–755.
日本内分泌学会・日本骨代謝学会:ビタミンD欠乏・不足の判定指針.日本内分泌学会雑誌,2017; 93: 1–10.