ⓔコラム15-4-5 自律性機能性甲状腺結節 (autonomously functioning thyroid nodule: AFTN)

 甲状腺結節が自律的に甲状腺ホルモンを分泌するもので,結節は単発性の場合も多発性の場合もある.TSHが抑制されており,甲状腺シンチグラムにて結節への集積があり,周囲への集積は抑制されていることで診断できる (ⓔ図15-4-9).

 機能性結節をPlummer病と呼ぶことがあるが,Plummerが報告1)したのは,Basedow病のような眼球突出を伴わずに甲状腺中毒症状を呈した多結節性甲状腺腫である.すなわち本来,Plummer病とは多発性中毒性結節 (toxic multinodular goiter: TMNG) を指す.日本のようなヨウ素摂取充足地域においては,甲状腺中毒症に占める機能性結節の割合は0.15~0.3%と少ない2).加えて,日本で認める機能性結節の責任病変は単一の良性結節 (腺腫様甲状腺腫のうちの1つの結節や濾胞腺腫) であることが多い.

〔杉谷 巌〕

■文献

  1. Plummer HS: Clinical and pathological relationships of simple and exophthalmic goiter. JAMA, 1913; 61: 650.

  2. 甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013 (日本甲状腺学会編),南江堂,2013.