ⓔコラム18-6-10 Japan Spastic Paraplegia Research Consortium (JASPAC)

 2006年,わが国のHSPに関する全国調査とゲノム解析をリンクさせた多施設共同研究体制 (Japan Spastic Paraplegia Research Consortium: JASPAC) が厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「運動失調に関する研究班」により立ち上げられた1).JASPACの目的は,全国的なゲノムリソースの収集を行い,大規模ゲノム解析により遺伝子診断サービスを提供するとともにわが国のHSPの分子疫学と自然歴を明らかにすること,将来的に多くの研究者に幅広く活用されるシステムとしてHSPの病態機序の解明と治療法の開発を目指すことである.2021年7月13日現在,全国47都道府県,326施設からHSP 1018家系が登録され,1家系につき1名のindex patient 891名の臨床情報とゲノムDNAが集積されている.

〔瀧山嘉久〕

■文献

  1. 瀧山嘉久:Japan Spastic Paraplegia Research Consortium (JASPAC). 脳神経,2014; 66: 1210–1217.