ⓔコラム5-1-2 不明熱 (fever of unknown origin: FUO)
Durackらにより不明熱を医療状況や基礎疾患などに応じて,①古典的不明熱,②院内 (nosocomial,health care–related) 不明熱,③好中球減少に伴う (neutropenic,immune–deficient) 不明熱,④ヒト免疫不全ウイルス (human immunodeficiency virus: HIV) 関連不明熱の4つに体系化する考え方が提唱された.また,一般診療における不明熱の定義を「38.3℃以上の発熱が3週以上の経過で数回あり,3日間の入院,もしくは3回の外来精査にても診断がつかないもの」としている1).
一般診療における不明熱の鑑別疾患を頻度に応じて表1に列記する.不明熱の診断では,発熱以外に鑑別疾患を想起させる症状・徴候,基本的検査での異常を見いだすことが肝要である.それらについて文献を参考に重要なものを表2に列記する.発熱以外の鍵となる症状・徴候などが見つからないときには診断が難しい.
〔松村正巳〕
■文献
- Durack DT, Street AC: Fever of unknown origin–reexamined and redefined. Curr Clin Top Infect Dis, 1991; 11: 35–51.