ⓔコラム7-3-20 Helicobacter pyloriの発見
H. pyloriは1982年オーストラリアのWarrenとMarshallにより慢性胃炎患者の胃粘膜より分離され1),胃・十二指腸疾患との関連性を世界ではじめて報告された (本業績により,2005年ノーベル生理学・医学賞受賞).わが国では2000年11月に胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるH. pyloriに対する一次除菌療法が保険適用となった.2007年には二次除菌療法が保険適用となり,2010年には,早期胃癌に対する内視鏡治療後胃,胃MALTリンパ腫,ITPの3疾患に対して保険適用が追加されている.さらに,2013年2月には,H. pylori感染胃炎に対しての診断および除菌治療が保険適用となり,すべてのH. pylori感染症が除菌対象となった.
また,近年はH. pylori以外のヘリコバクター属菌であるnon–Helicobacter pylori Helicobacter (NHPH) と胃MALTリンパ腫との関連も指摘されている.
〔沖本忠義・村上和成〕
■文献