ⓔコラム7-3-23 薬剤耐性菌
一次除菌の除菌率は,2000年には約90%程度1)であったが近年徐々に低下してきている.除菌率低下の要因としてCAM耐性菌の増加が挙げられている.2000年の日本化学療法学会による全国集計および,2002〜2007年と2010〜2011年,2013〜2014年,2015〜2016年の日本ヘリコバクター学会による全国集計では,CAM耐性率はそれぞれ7.0%,24.7%,31.0%,38.5%,38.0%であり,わが国では十数年間で30%以上のCAM耐性率の上昇が認められた2,3).
〔沖本忠義・村上和成〕
■文献
Asaka M, Sugiyama T, et al: A multi–center, double-blind study on triple therapy with lansoprazole, amoxicillin and clarithromycin for eradication of Helicobacter pylori in Japanese peptic ulcer patients. Helicobacter, 2001; 6: 254–261.
日本化学療法学会 抗菌薬感受性測定委員会:ヘリコバクター・ピロリ委員会:Helicobacter pylori除菌療法におけるclarithromycinおよびamoxicillinのブレイクポイント制定に関する報告書.日本化学療法学会雑誌,2000; 48: 561–567.
沖本忠義,安藤貴志,他:わが国における薬剤耐性Helicobacter pyloriの現状―2015~2016年度耐性菌サーベイランスの集計報告.日本ヘリコバクター学会誌,2020; 21: 142–145.