ⓔコラム7-3-5 診断と治療
呼吸器検体からのインフルエンザ菌の検出は,本菌が気道の常在菌の1つであることから,原因菌かどうかの判断には臨床症状や治療経過などを参考に総合的に判定する.
侵襲性インフルエンザ菌感染症に対する治療薬剤を選択するうえでは,薬剤耐性を考える必要があり,考えるに当たっては,BLPAR,BLNAR,BLPACRすべてに対して感受性良好な薬剤選択が必要となる.セフトリアキソン,メロペネム,タゾバクタム・ピペラシリン,ニューキノロン系薬が推奨される.
Hib髄膜炎に対しては,治療初期において抗菌薬を投与する前に,デキサメタゾンを併用することが,難聴などの後遺症を軽減させるとして推奨されている1).
〔石和田稔彦〕
■文献