ⓔコラム8-3-1 慢性炎症における自然免疫受容体

 マクロファージは,侵入した病原体の特定の分子ではなく,宿主にはない分子配列や,損傷により変化した自己組織の分子配列を認識する,パターン認識受容体であるToll様受容体 (Toll–like receptor: TLR) などの自然免疫受容体を発現している.動脈硬化病変では,死細胞由来の成分や酸化LDLなども,TLRを介してマクロファージを刺激し,炎症性サイトカインの産生を誘導して炎症反応を持続させる一因となる1)

〔田中君枝・佐田政隆〕

■文献

  1. Weber C, Noels H: Atherosclerosis: current pathogenesis and therapeutic options. Nat Med, 2011; 17: 1410–1422.