ⓔコラム8-5-7 心サルコイドーシスの研究
心サルコイドーシスの診断確定または疑いのために,心臓FDG–PETを撮像した冠動脈疾患のない118人の患者を対象とした研究では,心筋血流異常とFDGの取り込み異常の両方を有する患者では,心室頻拍と死亡の年率が4倍増加した1).右室の炎症はまれであるが,局所的な右室の炎症を有する患者は,正常な心筋血流と代謝を有するよりも5倍高いイベント率をもっていた1).一方,心外サルコイドーシスの活動性の有無は有害事象と関連していたことより,いかに心臓の評価が重要であるかが理解できる1).また,治療に対する反応のモニタリングと,治療初期の効果の有無による予後診断においてもFDG–PETが重要である2).
〔明石嘉浩〕
■文献
Blankstein R, Osborne M, et al: Cardiac positron emission tomography enhances prognostic assessments of patients with suspected cardiac sarcoidosis. J Am Coll Cardiol, 2014; 63: 329–336.
Osborne MT, Hulten EA, et al: Reduction in 18F–fluoro–deoxyglucose uptake on serial cardiac positron emission tomography is associated with improved left ventricular ejection fraction in patients with cardiac sarcoidosis. J Nucl Cardiol, 2014; 21: 166–174.