ⓔノート12-29-1 自己免疫性膵炎の変遷

 1995年にYoshidaらが自己免疫性膵炎 (AIP) という概念を提唱し1),そして2001年にHamanoらが本疾患の特徴として血清IgG4高値が認められることを発表したことから2),この疾患は日本から提唱された疾患概念である.海外では当初懐疑的にとらえられていたが,現在では世界的に認知された疾患である.しかしその過程で,日本と欧米の自己免疫性膵炎の一部には違いがあることがわかった.

〔内田一茂〕

■文献

  1. Yoshida K, Toki F, et al: Chronic pancreatitis caused by an autoimmune abnormality. Proposal of the concept of autoimmune pancreatitis. Dig Dis Sci, 1995; 40: 1561–1568.

  2. Hamano H, Kawa S, et al: High serum IgG4 concentrations in patients with sclerosing pancreatitis. N Engl J Med, 2001; 344: 732–738.