ⓔノート13-20-6 経過と予後
IgG4–RDでは従来,自然寛解例が報告され,特にAIPでは10〜40%とされていたが,長期観察例の増加とともに,再燃も経験されるようになった.現時点ではIgG4–RDの長期予後に関しては不明な点が多く,無症候例での治療適応の判断に迷う理由の1つであるが,IgG4–RDの臓器障害は従来考えられていたほど,可逆的ではないことが明らかにされている.例えば唾液腺炎においても,治療介入が遅れると,顎下腺病変部での線維化の進行と腺房細胞の減少により唾液分泌機能の回復が不可逆的となる1).
〔髙橋裕樹〕
■文献