ⓔコラム10-12-2 遺伝子パネル検査 (ⓔ表10-12-1)

 これまで,日本においては研究や自費診療で行われていたがんゲノムのシークエンスが2019年に保険収載されることとなり,肺癌領域でも大いに注目されている.2019年12月の時点でわが国で保険適用となっている遺伝子パネル検査には,オンコマインTarget TestマルチCDxシステム,OncoGuide NCCオンコパネルシステム,FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルの3種類がある.それぞれ,特徴をⓔ表10-12-1にまとめたものを記載している.保険適用としては,オンコマインTarget Testはコンパニオン診断薬として使用され一般病院で施行可能であるが,残り2つOncoGuide NCCオンコパネルとFoundationOne CDxはがんゲノムプロファイリング検査とよばれ,標準治療がない,もしくは終了 (見込み) の進行再発固形癌患者で,検査結果が返却される4~6週間後にも化学療法が可能な全身状態であることが見込まれる,主要臓器障害がなく全身状態良好な患者が対象とされ,がんゲノム医療中核拠点病院もしくはがんゲノム医療連携病院での実施が必須となる.日本において保険診療によるがんゲノム医療は始まったばかりであり,今後制度を含めて大きく変化していく可能性があり,最新の情報を常にアップデートする必要がある.

〔寺井秀樹・副島研造〕