ⓔコラム10-15-2 膠原病肺における縦隔気腫

 膠原病肺における縦隔気腫の合併は皮膚筋炎での報告が多く,予後不良な病態として知られている1).多くは間質性肺炎を合併しており,間質性肺炎で生じたブレブが破綻し漏出した空気が縦隔に達するという機序が報告されている2).膠原病肺におけるステロイドの使用については賛否が分かれており,ステロイドを含めた免疫抑制療法による膠原病のコントロールが予後の改善に寄与するという報告がある一方1),ステロイド治療による血管周囲組織の脆弱性が縦隔気腫の発生に寄与しているとも考えられている3)

〔谷村恵子・髙山浩一〕

■文献

  1. Zhang L, Shen M, et al: Survival analysis and risk factors for mortality in connective tissue disease–associated pneumomediastinum. Rheumatol Int, 2014; 34: 1657–1663.

  2. Masuda A, Tushima T, et al: Recurrent pnumothoraces and mediastinal emphysema in systemic lupus erythematosus. J Rheumatol, 1990; 17: 544–548.

  3. 小林信之,滝沢 始,他:難治性の縦隔気腫を合併し,急速に呼吸不全に至った皮膚筋炎の1例.日本胸部疾患学会雑誌,1989; 27: 848–854.