ⓔコラム11-1-2 内視鏡の起源

 内視鏡の起源は,古代ギリシャ時代まで遡り,スペクラという器具で直腸内腔を観察したという記録がある1).1804年にドイツのBozziniは,体外から光を直接体内に導くLichtleiter (導光器) を作成し,尿道,膣,直腸,口頭,食道上部の観察を行った.1853年にフランスのDesormeauxは,狭い体内内腔に挿入してこの部を観察する器具を作成し,はじめてendoscope (内視鏡) という名称を与えた1).最近ではさまざまな工業用内視鏡が登場し工場や作業現場などで使用されているが,本項で記載する「内視鏡」はすべて医療用である.

〔中村哲也〕

■文献

  1. 丹羽寛文:消化管内視鏡の歴史 改訂増補第2版,日本メディカルセンター,2010.