ⓔコラム11-3-8 拡大内視鏡分類

 食道表在癌の拡大内視鏡分類では,扁平上皮癌が疑われる領域の病変を対象に,その血管形態から,type A (血管形態の変化がないか軽度なもの) とtype B (血管変化の高度なもの) に分類し,type BをB1 (拡張・蛇行・口径不同・形状不均一のすべてを示すループ様の異常血管),B2 (ループ形成に乏しい異常血管),B3 (高度に拡張した不整な血管) に亜分類している (図1).type B1は深達度T1a–EPもしくはT1a–LPM,type B2はT1a–MMもしくはT1b–SM1,type B3はT1b–SM2以深におおむね該当する.最終的には生検による病理診断で癌を確定するが,T1a–LPMとT1b–MM,T1a–MMとT1b–SM1を治療前に正確に判別することは難しい.

 また,type B血管で囲まれた無血管もしくは血管が粗な領域をavascular area (AVA) とよぶが,AVAのなかでもループ構造が壊れたB2血管やB3血管に取り囲まれたAVAが深達度と相関する.このようなAVAの大きさが0.5 mm未満の場合に病変深達度はEP/LPM,0.5 mm以上3 mm未満の場合にMM/SM1,3 mm以上の場合にSM2以深と推測される.

図1 日本食道学会の拡大内視鏡分類.

〔磯本 一〕