ⓔコラム12-17-1 Budd–Chiari症候群の杉浦分類
Budd–Chiari症候群では,閉塞部位や形態による杉浦の分類1)が広く用いられている (ⓔ図12-17-1).
Ⅰ型:横隔膜直下の肝部下大静脈の膜様閉塞例.このうち肝静脈の一部が開存する場合をⅠa,すべて閉塞している場合をⅠbとする.
Ⅱ型:下大静脈の1/2から数椎体にわたる完全閉塞例.
Ⅲ型:膜様閉塞に肝部下大静脈全長の狭窄を伴う例.
IV型:肝静脈のみの閉塞例.
わが国での出現頻度はおのおの34.4%,11.5%,26.0%,7.0%,5.1%と報告されている.一方で欧米ではⅣ型が多い.
〔廣岡昌史・日浅陽一〕
■文献