ⓔコラム12-17-2 先天性門脈欠損症

 先天性門脈欠損症 (congenital absence of the portal vein: CAPV) は先天性の門脈体循環短絡症であり門脈低形成または欠損により門脈血流が肝を十分灌流しない.古くは1793年にAbernethyが最初の症例を報告している1).わが国では出生3万人に1人の割合に本症が存在することが知られている.先天的代謝異常のスクリーニングでガラクトースの高値で発見される場合が多い.CT/MRIなどの画像診断により容易に診断が可能である (ⓔ図12-17-3).

〔廣岡昌史・日浅陽一〕

■文献

  1. Abernethy J: Account of two instances of uncommon formation in the viscera of the human body. Phil Trans R Soc, 1793; 83: 59–66.