ⓔコラム13-35-4 じんま疹の治療ステップ
じんま疹の薬物治療の基本は非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬の内服である (図1)．1剤の抗ヒスタミン薬で無効ないし効果不十分な場合は薬剤の変更，追加または増量を行ってよいが，それらの治療で効果不十分な場合は診断の見直しや専門医への紹介が望ましい．なお，遺伝性ならびにブラジキニン起因性の血管性浮腫では通常のじんま疹の治療薬は無効で，おのおの原因の除去ならびにブラジキニンを標的とした治療が必要である1)．
図1 じんま疹の薬物治療手順 (秀 道広，森桶 聡，他：蕁麻疹診療ガイドライン2018．日本皮膚科学会雑誌，2018; 128: 2503–2624)．
じんま疹の治療にはまず正しい病型診断が必要である．明らかな原因，誘発因子がある場合はそれらを除去，回避しつつ，非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬を基本とした治療を行う．Step 3以上の治療は専門医に紹介する．
治療内容は，じんま疹の症状と効果に応じてステップアップし，症状軽減がみられれば原則として患者負担の高いものから順次減量，中止する．
＊1：じんま疹に対する健康保険適用は未承認．
＊2：速やかに症状の軽減を図ることが必要な場合．
＊3：1カ月以上減量または中止の目途が立たない場合はほかの治療への変更を検討する．
＊4：皮膚科専門医またはアレルギー専門医が，当該施設で，あるいは近隣医療機関と連携して，喘息，アナフィラキシーなどの有害事象に対応できる体制のもとで使用する．
＊5：慢性例に対する保険適用は未承認．
〔秀 道広〕
■文献
- 秀 道広，森桶 聡，他：蕁麻疹診療ガイドライン2018．日本皮膚科学会雑誌，2018; 128: 2503–2624.