ⓔコラム15-17-1 生活習慣病関連骨折リスク

 骨粗鬆症は,後期高齢者・超高齢者に頻発するため,ほかの慢性疾患による骨代謝への影響も無視しえなくなってきた (図1)1).日本骨粗鬆症学会では,生活習慣病関連骨折リスクに関する診療ガイドを2011年に上梓している.2019年度改訂版では,骨折リスクに関連する疾患・状態を拡大し,糖尿病,慢性腎臓病,慢性閉塞性肺疾患などの合併について注意喚起をしている.特に2型糖尿病については,臨床的危険因子をふまえた骨折リスク評価の試案も作成されている.

図1 生活習慣病による骨折リスクの概念図 (日本骨粗鬆症学会生活習慣病における骨折リスク編集委員会編:生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド 2019年版,日本骨粗鬆症学会,2019より作成). 生活習慣病はおもに骨質劣化に大きな影響を与えるとともに,原疾患・合併症あるいはその治療薬により転倒リスクを増大させ,骨折リスクをさらに増大させる.

〔鈴木敦詞〕

■文献

  1. 日本骨粗鬆症学会生活習慣病における骨折リスク編集委員会編:生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド 2019年版,日本骨粗鬆症学会,2019.