ⓔコラム15-4-6 甲状腺結節の超音波診断
甲状腺結節の超音波診断基準1)をⓔ表15-4-4に示す.微少浸潤型濾胞癌は良性所見を示すことが多い.ⓔ図15-4-10におもな組織型の典型的超音波像を示す.
『甲状腺超音波診断ガイドブック改訂第3版』では,結節が囊胞性である場合,充実性である場合に分け,診断フローチャートを示し,穿刺吸引細胞診の適応を規定している.結節が囊胞性の場合,囊胞内に充実部分がない場合では20 mm以下では経過観察する.結節が充実性の場合,5 mm以下は経過観察を基本とする.5 mmをこえ10 mmまでは悪性を強く疑う (甲状腺結節超音波診断基準のほぼ全項目に該当する) 場合に細胞診を行う.10 mmをこえ20 mmまでは悪性疑い (診断基準の1項目に該当するなど) の場合に細胞診を施行する.20 mmをこえる充実性結節では,すべての症例に一度は細胞診を行う.
〔杉谷 巌〕
■文献