ⓔコラム16-6-2 ATP7Bの局在

 ATP7Bの肝細胞内の細胞内局在に関してはラット初代培養肝細胞,肝由来の細胞株ならびに非肝由来の細胞株を用いて検討した.それらの結果ATP7B,GFP–ATP7BならびにATP7B–DsRedとも小胞体,ゴルジ装置,早期エンドソーム,リソソーム (ライソゾーム) やtight junctionに存在する蛋白とは共在せずに後期エンドソームに存在する複数の蛋白 (lysosome–associated membrane protein 1,lysosome–associated membrane protein 2,Rab7,Niemann–Pick C1 protein,mannose–6–phosphate receptor) と共在したことから肝細胞の後期エンドソームで細胞質の銅をその内腔へ輸送すると考えられた.

〔原田 大〕