ⓔコラム17-10-15 TAFRO症候群
明らかな原因なしに急性あるいは亜急性に,血小板減少症 (thrombocytopenia),全身浮腫・胸腹水 (anasarca),発熱・全身炎症 (fever),骨髄の細網線維化・骨髄巨核球増多 (reticulin fibrosis),臓器腫大;肝脾腫・リンパ節腫大 (organomegaly) を伴う全身性炎症性疾患.2010年高井らによりTAFRO症候群 (仮称) として報告された.治療薬としてステロイドやシクロスポリンAなどの免疫抑制剤,トシリズマブ,リツキシマブなどの有効例が報告されているが,さまざまな治療に抵抗性の症例も存在し,全身症状の悪化が急速なため,迅速かつ的確な診断と治療が必要とされている.TAFRO症候群症例の一部はリンパ節腫大が小さいかほとんど目立たないことがある.
〔塚崎邦弘〕
■文献