ⓔコラム17-10-27 B細胞の増殖
HCVはB細胞性非Hodgkinリンパ腫発症の危険因子とされている.クリオグロブリン血症の患者ではB細胞のクローナルな増殖が,肝脾,骨髄,リンパ節,末梢血に認められることがあり,これらの症例からB細胞性リンパ腫が発症することがある.Bリンパ球が増殖するメカニズムやリンパ腫発症・進展の機序にいかにHCVがかかわるのかについてはBAFFのようなサイトカインやB細胞へのHCV感染,ウイルス粒子を構成するE2蛋白あるいは複製にかかわるNS3蛋白などのウイルス関連蛋白などの関与が挙げられているが,不明な点が依然として残っている.
〔半田 寛〕