ⓔコラム18-6-9 MSAに関する第2回Consensus Criteria

 第2回Consensus Criteria (2008年) (表18-6-6) においては臨床試験の実施方法についても記載されており,3分間の安静臥位の後起立し,3分以内に少なくとも収縮期血圧30 mmHgまたは拡張期血圧15 mmHgの低下を認めた場合がprobable MSAにおける起立性低血圧基準であり,これを満たさない程度の低下の場合はpossible MSAにおける基準となる1).また,起立試験時の心拍数変動について,MSAでは起立性低血圧が認められても代償性の心拍数増加を認めないことがある.また排尿障害について,尿排泄機能の障害に起因する残尿量の測定には,経尿道的にカテーテルを膀胱に挿入する方法と膀胱用超音波画像診断装置を用いる方法があるが,その簡便性と非侵襲性の観点から後者が日常的に広く使用されている.

〔池田佳生〕

■文献

  1. Gilman S, Wenning GK, et al: Second consensus statement on the diagnosis of multiple system atrophy. Neurology, 2008; 71: 670–676.