ⓔコラム7-1-1 新型コロナウイルス感染症の法制度
「新型コロナウイルス感染症」は「感染症法」上,2020年2月に「指定感染症」に指定されたが,2021年2月13日より「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけが変更された.
また,同時に行われた法改正で,「新型インフルエンザ等感染症」については,これまでの入院措置に加えて,重篤化するおそれがない感染者に対する「宿泊療養」「自宅療養」も法的に位置づけられた.なお,「宿泊療養」「自宅療養」を拒否する感染者は「入院措置」とし,「入院措置」をも拒む場合には,50万円以下の過料 (行政罰) が課されることとなった.
感染症の発生の「届け出」は,一般的には記載した用紙を保健所に提出することによって行われるが,「新型コロナウイルス感染症」ではハーシス (HER–SYS) とよばれるシステムに入力することにより,電磁的に届け出が行われる.
次に,「新型コロナウイルス感染症」は「新型インフルエンザ等感染症」であるので,以上に述べたように「感染症法」が適用されることに加えて,「新型インフルエンザ等特別措置法」も適用される.すなわち,「新型インフルエンザ等特別措置法」の定めによって,地域における「新型コロナウイルス感染症」の週当たり新規報告数や病床のひっ迫具合等に応じて,緊急事態措置やまん延防止等重点措置が発せられる.その場合,事業者の時短・休業要請,住民への外出・出入りの自粛要請,イベントの開催制限に加えて,都道府県から医療関係者へ要請・指示が発せられることがある.
〔緒方 剛〕