ⓔコラム7-3-14 カンピロバクター属菌について

 本名称はギリシャ語の曲線状・弯曲を意味するcampylosと桿菌を意味するbaktronに由来している1).1909年,本属菌は流産したヒツジの胎児より分離され,当初,Vibrio fetusの亜種と考えられていた. しかし,それらのDNA (G+C) 含量の相違により,ビブリオ属より独立したカンピロバクター属が提唱されることとなった.さらに,2000年,本属の代表的菌種となるCampylobacter jejuni subsp. jejuni (C. jejuni ) の全ゲノム配列が最初に公表され,細菌学的特性の解明が進展することとなった.

〔髙橋 孝〕

■文献

  1. Allos BM, Blaser MJ: Campylobacter jejuni and Related Species. Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of Infectious Diseases, 7th ed (Mandell GL, Bennett JE, et al eds), Churchill Livingstone Elsevier, 2010; 2793–2802.