ⓔコラム8-5-1 超音波の特性
超音波を体内に照射すると,一部は臓器を透過するが一部は音響インピーダンスの異なる臓器間で反射される.反射された超音波を受信して体内臓器の描出を行うのが超音波検査法である.超音波は生体内を伝搬中に散乱,吸収,拡散が起こって減衰していく.周波数と吸収度合いとは正比例し,拡散は距離の二乗に反比例する.したがって高い周波数は浅部の描出能にすぐれているものの深部の画像を明瞭に描出することは困難である.小児と成人で異なった周波数のプローブを使用するゆえんである.
〔中谷 敏〕