ⓔコラム8-6-2 Brugada症候群

 過去に心肺停止,心室細動,失神の既往を有する患者は突然死のリスクが高いが,ICD植込みによりリスクが回避されれば長期生存が期待できる.Brugada signのみを呈する無症候性患者における心室細動の年間発生率は0.5%程度とされており1),ハイリスク患者の層別化が重要であるが,決め手となる鑑別法は見つかっていない.心室細動発作が繰り返されている急性期はイソプロテレノールの点滴静脈内投与が奏効する (細胞内カルシウム濃度上昇がその機序とされる).

〔栗田隆志〕

  1. Matsuo K, Akahoshi M, et al: The prevalence, incidence and prognostic value of the Brugada–type electrocardiogram: a population–based study of four decades. JACC, 2001; 38: 765–770.