ⓔコラム8-7-10 タイプA行動パターン
タイプA行動パターンとは,1959年に米国循環器病学者であるFriedmanらにより提唱された「虚血性心疾患 (狭心症や心筋梗塞など) の発症と密接な関係がある行動特性」のことである.その内容は「仕事においても余暇のときも競争心が強く,いつも時間に追われている感じがあり,絶えず物事を達成する意欲をもつ」一連の行動パターンとされ,具体的には以下のような行動特性が上げられる.
①言葉が速く語気も荒く,家族や部下にも当たり散らすことが多い.
②食事のスピードが速く,食後ものんびりすることが少ない.
③相手の話し方が遅いときや,前を走る車が遅いときなどイライラしやすい.
④同時に2つ以上のことを並行してやることが多い.
⑤時間に追われている感じが強い.
⑥自分や他人の行動力を質より量で評価することが多い.
⑦朝早くから夜遅くまで,または休日でも仕事をすることが多い.
タイプA行動パターンの人は,自らストレスの多い生活を好み,ストレスを多く受けているにもかかわらず,そのことをあまり自覚せずに無理を重ねた生活をする傾向がある.また,喫煙・多量飲酒などの不健康な行動や生活をする傾向にあり,それらを介して虚血性心疾患などの疾病に影響することが考えられている.
〔河上 良・南野哲男〕