ⓔコラム9-2-7 降圧薬の選択方法

 個々の患者に降圧薬治療を開始する際には,主要降圧薬の積極的適応,主要降圧薬の禁忌や慎重投与となる病態を考慮して降圧薬を選択する (表1表2).特定の降圧薬が積極的適応として推奨される病態は,降圧薬がそれぞれの原疾患自体の治療薬・予後改善薬として認められているものが基本である.左室駆出率の低下した心不全,心筋梗塞後のARB/ACE阻害薬およびβ遮断薬の推奨がまさにそれに該当する.狭心症での,カルシウム拮抗薬とβ遮断薬は狭心症の治療薬そのものである.蛋白尿/微量アルブミン尿を有するCKDについては,ARB/ACE阻害薬による蛋白尿/アルブミン尿の改善効果とともに腎予後改善効果が示されているものである.

表1 主要降圧薬の積極的適応 (日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン,ライフサイエンス出版,2019).
表2 主要降圧薬の禁忌や慎重投与となる病態 (日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン,ライフサイエンス出版,2019).

〔崎間 敦・大屋祐輔〕