ⓔノート14-1-20 重炭酸負荷試験

 近位尿細管における重炭酸再吸収能を調べる検査である.重炭酸イオンを1時間当たり1~2 mEq上昇するように点滴静注し,尿のpH7.5に上昇すると点滴速度を2倍にする.20 分間隔で再尿し,中間点で採血する.血中・尿中重炭酸イオン濃度,クレアチニン濃度を測定し,各尿につきGFR 100 mL当たりの重炭酸イオン排泄量,尿細管再吸収量を求め,重炭酸イオン排泄閾値を求める.血中重炭酸イオン排泄閾値は24~28 mEq/Lが正常であり,重炭酸イオン再吸収極量は2.5~2.8 mEq/100 mL・GFRである.近位尿細管性アシドーシスでは重炭酸再吸収能は低下がみられるが,遠位尿細管性アシドーシスでは正常または高値を示す.

〔猪阪善隆〕