ⓔノート14-1-6 原尿中アルブミン濃度

 Tojoらはmicropuncture法を用いて,糸球体係蹄で濾過された原尿中のアルブミン濃度を測定し,22.9 µg/mLと報告している1)(図1).GFRを180 L/日とすると,約4.1 gのアルブミンが糸球体で濾過されることになる.健常者であれば,ほとんどアルブミン尿は検出されないため,尿細管では上記の濾過されたアルブミンを再吸収していることになる.なお,血清アルブミン濃度を4 g/dLとすると,篩 (ふるい) 係数は0.057%となり,低分子量蛋白と比べてきわめて低い.

図1 蛋白尿による尿細管障害のメカニズム (Tojo A: Kidney Int, 2013; 84: 861–863より作成).

〔猪阪善隆〕

■文献

  1. Tojo A, Endou H: Intrarenal handling of proteins in rats using fractional micropuncture technique. Am J Physiol, 1992; 263: F601–606.