ⓔノート14-11-7 腎性貧血治療
腎性貧血に対してESAを使用するが,ESA投与開始基準は血液透析患者ではHb 10 g/dL未満で,目標Hb (ヘモグロビン) 値は10~12 g/dLである.成人の腹膜透析患者の場合,維持すべき目標Hb値は11~13 g/dL未満とし,Hb値11 g/dL未満となった時点で腎性貧血治療を開始する.ESAも鉄剤も投与されておらず目標Hb値が維持できない患者において,血清フェリチン値が50 ng/mL未満の場合,ESA投与に先行した鉄補充療法を行う.ESA投与下で目標Hb値が維持できない患者においては,血清フェリチン値が100 ng/mL未満およびトランスフェリン飽和度 (TSAT) が20%未満の場合,鉄補充療法を行う.最近では,経口のHIF–PH阻害薬も使用される.
〔阿部雅紀〕