ⓔノート14-6-10 IgA1サブクラスの沈着
IgA腎症と同様にIgA1サブクラスの沈着が発端となるとされている.ほとんどの症例ではJ鎖を認め分泌成分を認めないため,沈着物中には二量体のIgAが存在することとなる.ただし,IgA腎症に認められるヒンジ部分の糖鎖異常の有無については解明が進んでいない.多くの肝硬変ではIgA産生亢進や肝臓での除去能低下により流血中の二量体IgAやIgA免疫複合体が多いことが知られており,単純に糸球体に沈着するIgAが多いとも考えられる.
〔横尾 隆〕