ⓔノート15-5-9 CaSR作動薬の効果

 活性型CaSRを成熟骨芽細胞に過剰発現したトランスジェニックマウスではRANKLの発現増加,骨吸収の促進に基づく骨密度の低下が認められる.一方,腎臓に対するCaSR作用はカルシウム利尿を促進する.したがって,CaSR作動薬は高カルシウム血症の改善を期待して用いられることはあるが,単独使用では骨粗鬆症などの臓器障害の進行を阻止することができず,有用性のエビデンスも乏しい.

〔井上大輔〕