ⓔノート17-11-7 ワルファリンネクローシス
ビタミンK依存性止血因子には,凝固因子のFⅡ,FⅦ,FⅨならびにFⅩ以外に,PC,PSならびにPZの凝固阻害因子が存在する.PC異常症ヘテロ接合体の場合は,PC活性は約50%でFⅡ活性は約100%である.この症例に通常のようにワルファリンを投与すると,FⅡ活性が治療域に低下する前に,PC活性が10%以下となり,PC異常症ホモ接合体と同じ病態になり,VTEの再発や皮膚潰瘍を発症する.この場合,小さな動脈領域の血栓が生じると考えられる.
〔和田英夫〕