ⓔノート17-9-18 エクリズマブの作用機序
エクリズマブは,C5と特異的に結合しC5転換酵素の作用を阻害することで,炎症性メディエータであるC5aの放出を阻害するとともに,C5bに引き続く膜破壊性のC5b–9複合体の生成を阻害するが,病原体のオプソニン化や免疫複合体除去には影響を与えないので,上流の重要な機能は保持される.結合部位である相補性決定領域はマウスとヒトのキメラになっている.重鎖定常領域にヒトIgG2とIgG4を組み合わせることにより,Fcレセプターに結合したり,古典経路を活性化しないように工夫されている.
〔西村純一〕